TOPIX -47 @2,644
日経平均 -832円 @37,628円
米国では、テスラが低価格EV車の生産計画を好感されて12%高となった。他方、今週後半に1~3月期GDPや3月コアPCE価格指数の発表を控えており、根強いインフレを警戒して米10年債利回りが一時4.67%台に上昇したため株価全般の頭を抑えた。
本日の東京市場では、前日の急反発の反動や利益確定売り、戻り待ちの売りも入混じり、売りが優勢となった。国内外で決算発表が始まったが、ファナック、キャノン、日立建機など決算内容が期待外れの企業が目立ち、全体として売りが勢い付いた。さらに、フェイス・ブックを運営するメタが発表した決算が市場予想を下回ったため、米国市場の時間外取引で一時16%も急落した。米国の株式相場のセンチメントが悪くなることは必至だ。日本市場の立会時間中に米株価指数先物が軟調に動き、株価の下げに拍車をかけた。
外為市場では、1ドル=155円台後半まで円安・ドル高が進み、政府・日銀の市場介入に対する警戒感が一層高まる中、1月26日には日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えている。金融緩和はあり得ないため、現状維持か少し引き締めるかのどちらかしかないため、とりあえず売っておこうという判断が多かったのだろう。この数カ月間で発表された米経済統計を見ると、インフレはまだFRBが目標とする2%以内に安定的には低下していない。その結果、米国の利下げは年内にはないのではないかもしれないという悲観的な見通しが強まっており、それが足元の円安・ドル高を加速している。米国の利下げが始まるまでは、日銀が市場介入してもその効果は一時的に終わるし、日銀が少しだけ金融政策を引き締め方向へ修正しても円安・ドル高の基調を反転させるのは困難だろう。
日経平均の日足チャートを見ると、昨日の長大陽線にたすきを掛けるように長大陰線で反落して「たすき線」となり、昨日の上昇のほとんどを打ち消した。一つの大きな悪材料が峠を迎えてもまた別の新たな悪材料ができて来てなかなか本格的な反発に発展しない。こんなことは相場ではよくあることだが。
33業種のすべてが下げた。下落率トップ5は、電気・ガス(1位)、鉱業(2位)、輸送用機器(3位)、不動産(4位)、電気機器(5位)となった。