TOPIX +45 @2,711
日経平均 +908円 @38,460円
米国では、イスラエルもイランも相手への攻撃を抑制しており中東の地政学リスクが後退しつつある中、4月の購買担当者景気指数(PMI)は市場予想を下回ったことでインフレ懸念を高める内容ではなかった。その結果、米10年債利回りが低下し、エヌビディアなどのハイテク株を中心に買い戻された。主要3株価指数は揃って続伸した。
本日の東京市場では、中東情勢の緊迫化が後退し、米長期金利も下げたことで米国株が続伸した流れを受けて、幅広い銘柄が買われた。前日の米国ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%高となったことを好感して、東京市場でも半導体関連銘柄が買われた。特に、東京エレクトロンは7%高となり、この銘柄だけで日経平均を約200円押し上げる効果があった。さらに、外為市場では155円台に迫る円安・ドル高となっており、自動車などの輸出関連銘柄も買われた。
米テスラは中国勢によるEVの安売り攻勢に押されて劣勢が続いているため、2024年1~3月期決算では売上高及び1株利益が市場予想を下回った。しかし、低価格品をテコ入れする方針を示したことが好感されて、時間外取引でテスラ株が10%超急伸した。但し、自動車業界には手放しで喜べない事情がある。中国政府が補助金により中国のBYDのようなEVメーカーを後押ししているために中国のEVメーカーは低価格攻勢を仕掛けている。低価格のEVが世界中に普及すれば、自動車及び部品はパソコンのような「コモディティ」となり、自動車業界の産業構造が大きく変貌する。モーター大手のニデック(旧日本電産)はその煽りを受けて収益が悪化している。このような産業構造の変化は、自動車部品会社の収益を悪化させることになる一方、その変化の波に乗って、今はまだ注目されていない無名の企業が台頭してくるはずだ。
日経平均の日足チャートを見ると、「はらみの上抜け」となり反発力が増してきた。また新たな大きな悪材料が飛び出して来ない限り、半値戻しを目指して反発し、25日移動平均線前後までの戻りが有るのではないだろうか。
33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は精密機器(1位)、電気機器(2位)、輸送用機器(3位)、卸売(4位)、機械(5位)となった。