TOPIX +4 @2,747
日経平均 -139円 @39,443円
米国では、注目されていた米3月消費者物価指数(CPI)が予想以上に強い結果となった(前月比+0.4>予想0.3%、前年比+3.5%>予想3.4%)ため、ずっと期待されてきた米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げがさらに遠のいた。最初の利下げ予想は9月へ先送りとなり、年内利下げ回数も従来の3回から2回へと期待が縮小した。米長期金利(10年債利回り)は5.54%台(>前日4.36%台)に上昇した。その結果、主要3株価指数は揃って大きく下落し、外為市場ではドルは上昇して1ドル=152円台の円安・ドル高となった。
本日の東京市場では、米国株安の流れを受けて株価は大きく下げて始まり、日経平均は一時500円超下げたがすぐに押し目買いが入り、切り返して陽線で終えた。進行する円安・ドル高(1ドル=153円台)を好感して自動車株など輸出関連銘柄の一角が上げた。他方、株価の原理原則通り米長期金利上昇を反映して、メガバンク株も上げた。
現在の米国消費者物価指数(CPI)の強さは供給制約が原因ではなく、サービス業を中心とした需要が強すぎるためなので、供給さえすればすぐに売れることを意味する。ということは日本から輸出すれば売れることを意味し、さらに日米金利差が原因の円安・ドル高が進行しているため、日本の輸出企業の採算はさらに良くなる。採算がどれくらい良くなるかもある程度見当が付く。3月の日銀短観によれば、大企業・製造業の2024年度の想定為替レートは140円40銭である。もし、現在の152円台以上が定着するなら大幅な増収となり、どこかで上方修正を発表する可能性が高い。円安・ドル高基調が続けばば、株価は増収増益を先取りして織り込み始めるだろう。
政府日銀による為替介入がいつ起こっても不思議ではない局面だが、日米金利差という経済のファンダメンタルズが原因なので、為替介入による効果は短期的にはあるだろうが長続きしないと見ている。前回の為替介入は2022年9月22日から10月下旬まで3回に分けて円買い・ドル売り介入して何とか円安・ドル高の流れを食い止め、一時は151円台後半から7円ほど円高に戻した。あの時の米長期金利は4.2%台だったが、今は4.5%台である。為替介入するにしても介入原資は1.3兆ドルの短期米国債(外貨準備高)しかないので、無駄打ちをしないためにはドル買いが出尽くして伸び切ったところで実施しないと効果が弱くなる。したがって、もう少し「泳がしておく」可能性が高い。例えば1ドル=155円までとか。
日経平均の日足チャートを見ると、ギャップダウンして始まったがすぐに切り返し始めて長陽線で終えた。下値では押し目買い意欲が旺盛なことを示している。
33業種中16業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、石油・石炭(2位)、電気・ガス(3位)、銀行(4位)、非鉄金属(5位)となった。