期初の「益出し」は今日も続いたが・・・

優利加さん
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昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA -240.52 @39,566.85, NASDAQ +17.37@16,396.83, S&P500 -10.58 @5,243.77)。ドル円為替レートは151円台後半での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が286に対して、下落銘柄数は1,344となった。騰落レシオは109.11%。東証プライムの売買代金は4兆4002億円。

TOPIX -7 @2,714
日経平均 +36円 @39,839円 

米国では、3月のサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が50.3%(>前月47.8、予想48.1)へ上昇し、2022年9月以来1年半ぶりに初めて好不況の境目となる50を超えた。想定以上に米経済が好調なため、週末にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利下げを急ぐ必要はないという趣旨の発言したことで米10年債利回りが前日の4.19%から4.31%に上昇した。これを受けて、米株価全般は売られたが、アルファベットやマイクロンテクノロジーなど一部ハイテク株が買われた結果、ナスダックは小幅高で終えた。ダウ工業株30種平均は初の4万ドル台を目前にして勢いを失い足踏み状態となっている。

本日の東京市場では、米国市場でのハイテク株買いの流れを受けて東京エレクトロンやディスコなど半導体関連銘柄が買われた。さらに、下がらない米長期金利と上がらない円長期金利を背景に円安・ドル高が進み、自動車など輸出関連銘柄も買われて日経平均は一時上げ幅を300円台超まで拡大した。しかし、機関投資家による「期初の益出し」のための売りは今日も続き、相場全体の頭を抑えた。

含み益のある株式を売却して新年度に入るとすぐに一部実現益を計上する「期初の益出し」は銀行などの国内機関投資家が、例年4月や10月第1週に行うルーチン行事である。実現益を確保することでその後の運用をしやすくすると同時にノルマ達成へ近づいたと安心感を得ることが目的である。ただ、機関投資家の多くがこの操作をするため、他者よりもより有利な状況で売ろうとすると一斉に売りが出る。その結果、昨日のように思いのほか急落することがある。また、日本株は2023年度に日経平均が44%も上昇して史上最高値を更新したので大きな実現益を確保できるため売り急いだとも言える。期初の益出しは1週間くらい続くが、ピークはもう過ぎたと見る。毎年4月は外国人投資家が日本株を買い越す傾向が強い(過去20年で17回)ことも考慮すると、他に新しい売り材料が出て来ない限り、今週は絶好の押し目買いの場を提供してくれることになるのではないか。短期目線でも、中長期目線でも三菱UFJなどメガバンク株に注目している。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日長大陰線で急落した後、本日は上下に短いひげを引いた短陰線で終え、ほぼ横向きとなった25日移動平均線の上に踏みとどまった。機関投資家による期初の益出しが今週中にはピークアウトするので25日移動平均線を深く割り込むことはないと見ているが、さてどうなるか。相場には「上り坂」と「下り坂」の他に、常に「まさか」が潜んでいるので決めつけは禁物であるが。

33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、ゴム製品(2位)、陸運(3位)、空運(4位)、小売り(5位)となった。

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