TOPIX +29 @2,751
日経平均 +263円 @40,004円
米国では、米2月消費者物価指数(CPI)などの経済指標が予想以上に強かったため利下げが遠のき、米10年債利回りは上げ基調となっている。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控えているが、様子見ではなく押し目買いが優勢となった。
本日の東京市場では、日銀が金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除や上場投資信託(ETF)の買い入れ終了などを決定した。17年ぶりの利上げとなる。日銀は2016年2月にマイナス金利政策を導入し、市中銀行が日銀に預ける当座預金の一部にマイナス金利を適用して来た。これまでマイナス0.1%を政策金利としてきたが、今後は政策金利を無担保コール翌日物レートに変更した上で、その水準を0~0.1%程度に誘導する。また、事前のリーク報道通り、長短金利操作(YCC)の廃止、上場投資信託(ETF)買い入れの終了も決定した。
しかし、その内容は既に事前に漏れて報道されており、株式相場にはかなり織り込み済みとなっていた上に、緩和的な政策はまだ継続するとの内容だったことで、株式相場全体にとってはプラスの力となって働いた。すぐには円金利が上がらないということで円相場は円安・ドル高が進み1ドル=150円台に入ったたため、自動車などの輸出関連銘柄が買われた。また、円金利が上がると不利になるはずだった不動産株は目立って上げた。日経平均先物の売り方が買戻しを急ぎ、日経平均は大引けにかけて加速して上げた。23年9月末現在の日銀保有ETFの簿価は37兆円ほどだったが、その後の株価の上昇により含み益は30兆円ほどに膨らんでいる。
日経平均の日足チャートを見ると、昨日の長大陽線に続き、本日も下ひげを引いた大陽線で続伸した。今週末までには3月2日にザラバで付けた最高値40,472円の更新が期待される。ただ、ダブルトップになる可能性もシナリオとして想定しておきたい。
33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、不動産(1位)、鉱業(2位)、輸送用機器(3位)、ゴム製品(4位)、その他金融業(5位)となった。