TOPIX -9 @2,649
日経平均 -102円 @38,696円
米国では、米2月消費者物価指数(CPI)が予想をやや上回った(前年比+3.2%>予想+3.1%)ものの、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ見通し(6月に利下げ)は不変との見方が支配的だった。このような観測を背景に、エヌビディア(+7%)やマイクロソフト、メタ・プラットフォームズなどのAI関連銘柄を中心に買い戻された結果、主要3株価指数は揃って上昇した。
本日の東京市場では、いつもと事情がやや異なった。米国での前日のエヌビディアの7%の上昇とフィラデルフィア半導体株指数(SOX)の2%上昇を好感して、東京エレクトロンやアドバンテスト、信越化学などが買われて日経平均は上昇して始まった。日経平均は350円ほど上げる場面があった。ここまでは今まで通りだった。
しかし、川崎重工、日本製鉄やトヨタ自動車をはじめとする大企業が次々と組合側の賃上げ要求をあっさり受け入れているため、日本企業の賃上げ基調が定着するとの見方が浮上して来た。この賃上げ基調の定着化を背景に日銀が来週18~19日の金融政策決定会合で遂にマイナス金利解除や長短金利操作(YCC)の修正・廃止に動く、つまり、日本の金利が上がるとの観測から、日本株全般は売り優勢となった。これまでは株価に好材料と見られてきた脱デフレの象徴である賃上げが、今度は利上げを促す悪材料となった。円金利の上昇は円高・ドル安を意味するので、自動車をはじめとする輸出関連銘柄も売られた。また、3月末が近づいてきたので年金などの機関投資家がリバランス目的の売りを出しているはずである。マーケットは、今、エヌビディア株の上げ下げよりも日銀の金融政策決定会合にマーケットの関心が移っている。
日経平均の日足チャートを見ると、昨日の陽線を本日は陰線で上から被せる形、つまり「被せ線」となった。被せ線の翌日は下げ易いが、さて、明日はどう動くか?
33業種中23業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、パルプ・紙(2位)、鉱業(3位)、医薬品(4位)、機械(5位)となった。