TOPIX -60 @2,667
日経平均 -868円 @38,820円
米国では、2月の雇用統計が強弱入混じる中、これまで相場をけん引して来た画像処理半導体(GPU)のエヌビディアが前日比5.09%まで上げた後に急落して5.55%安で終えた。エヌビディアの急落を見てハイテク株を中心に利益確定売りが拡大した。主要3株価指数は揃って反落した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4%下落した。
本日の東証市場では、米国株安の流れを受けて東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連銘柄などの値嵩株を中心に売りが優勢となった。また、金利が下がりそうな米国と、金利が上がりそうあ日本という金融政策のベクトルの違いによる日米金利差の縮小観測が強くなり、1ドル=146円台半ばまで円高・ドル安が急速に進行した。その結果、トヨタをはじめとする自動車を中心として輸出関連銘柄も売られた。この数か月間の日本株上昇相場の背景にあった(1)円安による日本企業の業績拡大期待と(2)日米両国の半導体関連株の上昇(半導体銘柄ラリー)の2つを見直すタイミングになってきたようだ。とはいっても、日米中央銀行の金融政策の違いから、早晩、円高・ドル安になるのはかなり前から分かっていたことではあるので何を今さらという感じではあるが。
日経平均の日足チャートを見ると、ギャップダウンして始まった後、さらに下げて長大陰線を引いて下げたが、下げ幅を縮小して下ひげを引いた大陰線で終えた。10日移動平均線を完全に下抜けしたが、25日移動平均線はまだ上向きであり、株価はその上で留まっている。円高・ドル安による影響はかなり織り込まれたと見ているが、上げ過ぎた半導体銘柄の調整はもう少し長引くかもしれない。
33業種中31業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、銀行(2位)、証券(3位)、鉄鋼(4位)、機械(5位)となった。