TOPIX -12 @2,719
日経平均 -492円 @39,599円
米国では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言の内容がほぼ予想通りだったため、警戒感が和らいだ。また、2月ADP民間部門雇用者数は前月比14万人増(<予想15万人増)、1月JOLTS求人指数の非農業部門求人件数は886百万人(<前月888百万人)と、市場予想を下回る弱い内容だった。これを受けて、米10年債利回りが低下し(前日の4.137%から4.1059%へ)、株式相場はそれを好感して上げ、ドル円相場は円高・ドル安方向へ動いた。
本日の東京市場では、米国株の反発を好感して高く始まり、日経平均は前場では史上最高値を更新した。しかし、この数カ月にわたり日経平均の上昇をけん引してきた東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連銘柄が利食い売りに押された。且つ、日銀の中川順子審議員が「賃金と物価の好循環が期待できる」と講演で発言したことから、日銀が金融正常化に踏み切るのは近いとの観測が強くなり円高・円安方向へ円相場が大きく振れた。その結果、日経平均は急速に下げて、下げ幅は一時500円を超えた。金融正常化を危惧して円高・ドル安が進行したためトヨタ、マツダ、SUBARUなどの自動車株は大きく売られたが、反対に利ザヤが拡大するUFJFGや地銀の一角などの銀行株や保険株は上げた。
日経平均の日足チャートを見ると、ギャップアップして始まったが売りに押されて長大陰線で下げて、高値圏での「包み線」となった。はやり、SQの直前には魔物が住んでいた。半導体関連銘柄の利食い売りに加えて、円高・ドル安による売りと、さらにSQに絡むポジション調整の売りが重なり、日経平均は長大陰線となった。明日は寄り付いた後はSQに絡む売り要因は消える。さて、どう動くか。
33業種中14業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、保険(2位)、銀行(3位)、陸運(4位)、情報・通信(5位)となった。