日経平均、史上最高値@38,915円まで1000円を切る!

優利加さん
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昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +125.69 @38,797.38, NASDAQ -48.12 @15,942.55, S&P500 -4.77 @5,021.84)。ドル円為替レートは149円台半ばでの動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,274に対して、下落銘柄数は353となった。騰落レシオは109.47%。東証プライムの売買代金は5兆9628億円。

TOPIX +54 @2,612
日経平均 +1,067円 @37,964円

米国では、ダウ工業株30種平均が史上最高値を更新し、S&P500 は4営業日連続で最高値を更新したものの昨日は反落した。米経済はソフトランディングするだろうとの期待が高まっていることが米国株式相場を支えている。

本日の東京市場では、米国株高基調を背景に、半導体をはじめとする主力株が大きく買われた。日銀の金融緩和修正のタイミングが先送りになったため円安・ドル高方向へ振れていることも手伝い、日経平均は1,066円強上昇して3日続伸し、一時は38,000円台まで上げた。東京エレクトロンは2024年3月通期の業績見通しと世界の前工程製造装置(WFE)市場の見通しを上方修正した。これに反応して、東京エレクトロンが急騰して13.3%高となり、この1銘柄だけで日経平均を396円押し上げた。アドバンストなど他の半導体関連も上がり、株価が急上昇している英半導体設計大手のアーム・ホールディングスを傘下に持つソフトバンクグループも大きくげた。円相場が円安・ドル高方向へ振れたことを好感してトヨタも4%上げた。さらに、金融庁の指導により損害保険大手4社が政策保有銘柄の売却を加速することが明らかになった。それに伴い、保険会社には巨額の現金が入ることになり、その現金を原資に自社株買いなどを通して株主還元が強化されるとの期待が高まり、損保各社の株価は大きく上げた。1989年12月29日に付けた史上最高値@38,915円まで1000円を切るまで迫ってきた。

2月8日までに2023年10~12期決算を公表した企業(日経平均500採用銘柄の内207社)の約6割(121社、58.5%)が市場予想を上回った。日本企業の業績が好調で株価も堅調な理由を列挙すると、(1)価格転嫁のための値上げが受け入れられて浸透して来た、(2)好調な米国経済のため対米輸出が増加した、(3)輸出関連企業は円安効果で増収増益となった、(4)昨年3月以来の東証の要請に応える形で「資本コストと株価を意識」した結果、自社株買い発表額が過去4年かで最高のペースで増加している(年初から2月9日までの集計で127社が自社株買いを発表し総額で8兆5千億円)、(5)中国不動産不況をはじめとして中国景気の減速が明確になるにつれて中国株を売り、その資金が日本株へ移動している、(6)AIブームにより関連半導体銘柄に買いが殺到している。

日経平均の日足チャートを見ると、前日に出た売り線である「波高い線」を振り切って長大陽線で続伸した。バブル崩壊後の戻り高値を更新し、史上最高値更新まで1000円を切った。勢いがあるので数週間以内に記録更新があるのではないだろうか。ただ、記録更新後の動きに警戒しておきたい。

FRBが今後どう動くかを占うための一つの要素として、今夜発表の1月消費者物価指数(CPI)に注目が集まっていたが、予想以上に強い結果(前年同月比3.1%>予想2.9%)となった。これを受けて、今現在(JST 2月14日午前0時30分)、米長期金利が急上昇しており、米株価を大きく押し下げている。

33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、保険(1位)、電気機器(2位)、サービス(3位)、輸送用機器(4位)、卸売(5位)となった。

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