調整モードが濃くなってきた

優利加さん
優利加さん
昨日の米国株式相場は下げた(DJIA -231.86 @37,361.12, NASDAQ -28.41 @14,944.35, S&P500 -17.85 @4,765.98)。ドル円為替レートは147円台半ばの前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が486に対して、下落銘柄数は1,114となった。騰落レシオは116.35%。東証プライムの売買代金は5兆2787億円。

TOPIX -8 @2,496
日経平均 -141円 @35,478円

米国では、ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事が1月16日の講演で「政策の軌道修正は慎重に判断し、急ぐ必要はない」と市場の早期利下げ期待を牽制した。これを受けて、米長期金利は前週末比で0.14%上昇して4.08%まで上げた。これを嫌気して景気敏感株を中心にはパ広い銘柄が下落した。

本日の東京市場では、相場の過熱感が警戒される中、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上げたため半導体関連銘柄が上昇したことと円安・ドル高の進行したことを背景に買いが優勢となり、日経平均の上げ幅は一時620円まで拡大した。しかし、中国上海証券取引所が上昇する日経平均連動型の上場投資信託(ETF)の売買を一時停止したと報道されたことをきっかけに利益確定売りが急増して上げ幅を急速に縮小させ始めて最終的には前日比で下げた。

日経平均の日足チャートを見ると、長めの上ひげを引いた陰線で終えた。昨日も陰線で終えているため高値圏で2日連続の陰線となった。本日の日中値幅(762円)は23年7月28日の809円以来の大きさとなった。これでますます調整モードが濃くなってきた。値動きが荒くなった理由の一つにコールオプションに絡むヘッジ操作がある。日経平均コールオプションの残高は行使価格が36,000円のところに1月16日現在で6,482枚の建玉残高が積みあがっている。コールオプションの売り手は行使される確率(デルタ)に応じて買い手の権利行使(売り手から見るとコールの買い手に対して売り)に備えて先物で買い玉を建ててヘッジする(デルタ・ヘッジ)。株価が36,000円を超えるとヘッジのため買い増す。しかし、36,000から下へ離れるほど今度は買い過ぎた先物を売ることになる。このようなデルタ・ヘッジ操作のため、36,000円前後での値動きが荒くなる。

33業種中25業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、電気・ガス(2位)、医薬品(3位)、化学(4位)、精密機器(5位)となった。

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