TOPIX +34 @2,359
日経平均 +484円 @32,792円
米国では、11月の米雇用統計がやや強い結果となった(非農業部門雇用者数+19.9万人>市場予想+18.0万人、前月+15.0万人、失業率3.7%<予想3.9%)が、米連邦準備制度理事会(FRB)が一段と金融を引き締めるほどではないと解釈された。それでも米長期金利は反発した。他方、12月のミシガン大学期待インフレ率速報値は前月から低下(3.1%<前月4.5%)した。その結果、円相場はドル高円安方向へ動いたが、主要3株価指数は上昇して終えた。
本日の東京市場では、11月の米雇用統計を受けて(過度な景気減速懸念が後退)米国株式相場が上げたことに加えて、円高が一服したことを好感して幅広い銘柄が買われた。日経平均の上げ幅は一時600円を超えた。買いが一巡すると上値が重くなり伸び悩んだ。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)と欧州中央銀行(ECB)理事会を控えているためだろう。日本固有の悪材料として、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る問題で政治リスクが浮上して来たので注意は必要だろう。政治的な不安は海外投資家が最も嫌うからだ。ただ、今のところ、自民党を引きずり下ろすほどの力は野党にはないが。
日経平均の日足チャートを見ると、大きく反発して上ひげを引いた陽線となった。直前2日間の下げの約3分の1を取り戻したが、まだ10日及び25日移動平均線の下に沈み込んでいるため下振れしやすい。
車を運転していて初めて通る道でもナビ等でその先がどうなっているかを知っていると運転しやすい。しかし、経験を積んだドライバーならナビも紙の地図もまったくなくても、スピードは落ちるが安全に運転して先へ先へと進むことはできる。相場の先をわずか1週間先でさえ予測しようとすると、相場経験数十年のベテランでさえ精々70%の精度だと思う。平均的なトレーダーなら当たる確率は約50%である。一応予測はするがそれが外れても困らない様に、或るはさらに一歩進めて上げても下げても最終的には儲かるような自分独自の「運転の仕方」を見つける(=eureka!=優利加)ことが「生涯現役の株式トレーダー」に至る一つの道である。これは演繹的考察(株価の原理原則に照らして考える)と帰納的考察(株価チャートを深く読み、その「呼吸に合わせて」波に乗るにはどうすれば良いかを見つける)の組み合わせでのみ可能である。
33業種中32業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、石油・石炭(2位)、水産・農林(3位)、卸売(4位)、建設(5位)となった。