暗雲が立ち込めているとまでは言わないが、25日移動平均線を若干下回って引けたことで、ここからの値動きに神経を尖らせざるを得ない場面となってきた。12月相場では「掉尾の一振」という言葉が一種の代名詞として扱われていることもあり、統計的にも首尾よく上昇が期待できる月というイメージが強い。例えば業界関係者に対する年初の年間見通しアンケートなどでは、途中に紆余曲折はあっても、結局は年末高を想定する向きが多くなる傾向がある。元来、人間は一寸先の未来をも覗くことはできないが、一歩前にある未来を予測する際には現実的な視点で楽観を排除し、時間的な間隔が広がるほどに希望的観測が織り込まれがちだ。株式市場においても年末は尻上がりをイメージしてしまうのが、ある種、投資家の性なんだろう