車の運転と株式投資・トレードは本質的に同じ

優利加さん
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昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +520.47 @35,950.89, NASDAQ -32.27 @14,226.22, S&P500 +17.22 @4,567.80)。ドル円為替レートは148円台前半での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証プライムでは、上昇銘柄数が 761に対して、下落銘柄数は844となった。騰落レシオは117.32%。東証プライムの売買代金は3兆4666億円。

TOPIX +8 @2,383
日経平均 -55円 @33,432円

米国では、10月の個人消費支出(PCE)価格指数が前年比+3.5%(<9月+3.7%、前年比+0.2%<同9月+0.3%)へ鈍化したことを受けて、来年度の利下げ期待が高まった。ただ、米10年債利回りは4.332%(>前日4.271%)へ上げた。その結果、ダウ工業株30種平均とナスダックでは高安まちまちとなった。11月月間では、ダウ工業株30種平均は8.46%、ナスダックは10.70%、S&P500は8.92%上昇した。

本日の東京市場では、米国市場でのハイテク株の下落を受けて、半導体関連銘柄の一角が売られ、他の銘柄も高値警戒感から売りが優勢となり、日経平均は小幅安となった。また、12月1日にはパウエルFRB議長の講演を控えており、タカ派的な発言を警戒して買いが控えられた。

日経平均の日足チャートを見ると、小幅高で始まったものの売りに押されて短陰線で終え、ほぼ水平の10日移動平均線を僅かに割り込んだ。11月15日から続くアイランド(島のような塊)の範囲内での動きが継続中である。数週間先までの短期では上下どちらにも動きうる。他方、数年先まで考えると、米長期金利はほぼ間違いなく今よりもかなり下がっているはずであり、高金利が株価を押さえる力はほとんど消えているため、株高要因となる。ところが、過去2年ほどの急激な金融引き締め政策により米景気には急ブレーキがかかっている。そのマイナス効果は時差を伴い、これから強く出てくる可能性が高く、こちらは株安要因となる。結局、金利低下による株価を押し上げる力と景気減速により株価を押し下げる力がぶつかり合い、川のように蛇行しながら株価は動き続ける。その時々のマーケットの受け止め方の変化により短期的な上昇基調となったり下落基調となったり目まぐるしく上げ下げが入れ替わりながら先へ先へ進んで行きなら大きなうねりを描く。今日現在の時点で全人類が知ることが可能なすべての情報を、世界中の大天才の頭脳を結集しても、最先端のAIを駆使したとしても、1~2年先の株価を実用レベルの精度(例えば2024年7月中旬頃に日経平均は本日と比べて何パーセント程度上げるか下げるか)で事前に予測することは不可能である。適当に予言しても50%の確率で上げるか下げかは当たる。予言は「上げるか下げるか」だけでは不十分で、それが「いつ」、「どの程度の大きさ」で起こるかまで明示しないと価値がない。もしかしたらそのような予測ができるかもしれないと日夜研究している人や組織はあるだろうが、それは錬金術を求めるのと同じ不毛な結果になることは明白である。なぜなら、未来の株価を動かすのは既に我々が知っている現在の情報(既に株価に織り込み済み)ではなく、未来にならないと我々が知ることができない未来の時点になって初めて知ることができる情報だからである。我々の命は有限で短い。我々個人投資家・トレーダーは当てにならない「予測に依存する」のではなく、足元の「波に乗る技術」主力とする戦い方をすべきだと思う。車の運転と同じである。車の運転は訓練と経験により誰でも上達する。株式投資・トレード技術も同じである。この考え方は株式投資・トレードの「イノベーション」と言えるかもしれない。

33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、卸売(1位)、倉庫・運輸(2位)、輸送用機器(3位)、銀行(4位)、建設(5位)となった。

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