TOPIX -18 @2,373
日経平均 -197円 @33,388円
先週金曜日の米国では、10年債利回りは前日の4.445%から一時は4.379%まで低下したが、終値は4.441%となった。11月の月初から株価は大幅高(ダウ工業株30種平均は1,900ドル弱の上昇)となっており、短期的な過熱感が意識されてハイテク株や大型株の一角は利益確定売りに押された。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)がもうこれ以上の利上げをすることはないだろうとの観測が支配的となっており、これが株価を下支えした。主要3株価指数は小幅高となり、これで4日続伸となった。
本日の東京市場では、米追加利上げの終了観測が支配的となっていることを背景に株価は先高観が高まり、買いが優勢となる中、日経平均の上げ幅は260円を超えた。ただ、日経平均は11月に入ってから2,700円強上げてきており、本日は一時、今年6月19日のバブル崩壊後の戻り最高値@33,772円を上抜けして33,853円まで上げた。しかし、当面の目標を達成したためか、利益確定売りも多く出て来て少し反落し、下げ幅は一時200円を超えた。さらに上値を追うには新規の買い材料が必要だろう。
日経平均の日足チャートを見ると、バブル崩壊後の高値をザラバで更新したが、長い上ひげを引いた陰線、つまり、「波高い線」で終えた。「波高い線」は典型的な売り線であり、その後は調整する場合が多い。バブル崩壊後の戻り高値更新という目標を達成した達成感を得た今、利食い売りを優先するか、それとも上値を追うか、そんなことは真剣に考えたり、精緻な分析しようとするだけ時間の無駄である。株式投資・トレードは無責任な占い術とは違い、未来を占ってそれでお終いではなく、結果を出さなければならない。「勝兵は先ず勝ちて而(しか)る後に戦い、敗兵は先ず戦いて而る後に勝を求む。」つまり、勝者は勝ってから戦を始めるが、敗者は戦を初めてからどう勝つかを考える、と孫子は喝破した。どちらへ動いても良いように心と建玉の準備をしておくことこそがトレーダーにとっての正解である。その構えが「円月殺法音無しの構え」である。
33業種中29業種が下げた。下落率トップ5は、輸送用機器(1位)、非鉄金属(2位)、ゴム製品(3位)、卸売(4位)、建設(5位)となった。