TOPIX +2 @2,337
日経平均 -78円 @32,568円
米国では、IMFのパネル討議で、パウエルFRB議長がインフレを2%に戻すために金融政策が十分に景気抑制的な水準に達したか確信に至っておらず、一段の金融引き締めを躊躇わないという趣旨を述べた。この発言を受けて、金融引き締めの長期化懸念が強まった。さらに、米30年物国債の入札結果が低調だったため需給が引き締まるとの見方が浮上し、11月1日から低下基調にあった米10年債利回りが再び上昇に転じた。連日の株価上昇ラリーが続いて来ただけに、利益確定売りを誘い、米株式相場は反落して主要3株価指数は揃って下落した。ただ、直近の経済統計データでは、米景気減速や労働需給の緩和を示す指標が相次いでおり、追加利上げ観測は後退しているが。
本日の東京市場では、米国株の反落を受けて下げて始まり、日経平均の下げ幅は一時400円近くまで拡大した。特に、2023年4~9月期連結決算が大幅赤字になったと発表したソフトバンクグループ(SBG)が急落して日経平均を押し下げた。しかし、昨日の安値を割り込むことなく切り返し始めて大引けに向けて下げ幅を縮小した。商社、銀行、海運などが後場に強くなり株価指数を下支えした。日本企業全体の業績見通しは強含みなため、海外発の悪材料である程度下げてもそのままズルズルと下げることはなく、すぐに押し目買いが入り下げ止まるようである。
日経平均の日足チャートを見ると、昨日の上方向への「たすき線」の後、本日は長い下ひげを引いた短陽線で終えて「はらみ線」となった。現在、株価は高値圏にあるので、もし、この「はらみ線」を下抜けるような展開になるとその後は反落しやすいと読むのが定石である。「三空踏み上げ」の3回目の窓空けをした11月6日から本日までの株価の動きに注目すると、島のような塊となっており、この塊を下抜けする「アイランド・リバーサル」(=さらに上がると期待して買ったのに、島の塊で買った人全員が含み損になるので一斉にロスカットに走る)も警戒したい。では、どう警戒するのか?それは、そうなっても困らないように「心と建玉の準備をしておく」のである。
33業種中20業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、石油・石炭(2位)、水産・農林(3位)、銀行(4位)、建設(5位)となった。