「(なだれ)三羽烏」となるか?

優利加さん
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昨日の米国株式相場はまたも続伸した(DJIA +56.74 @34,152.60, NASDAQ +121.08 @13,639.86, S&P500 +12.40 @4,378.38)。ドル円為替レートは150円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が404に対して、下落銘柄数は1,227となった。騰落レシオは93.12%。東証プライムの売買代金は4兆8165億円。

TOPIX -27 @2,306
日経平均 -105円 @32,166円

米国では、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁、米連邦準備制度理事会(FRB)高官からインフレを警戒する発言があった。他方、米長期債利回りは低下し、住宅販売の不振に明確に表れてきたが中国の強まりつつある景気減速懸念を反映して原油相場が急落したこで、主要3株価指数は揃って続伸した。

本日の東京市場では、米国でのハイテク株買いを好感して日経平均は高く始まり、上げ幅は一時200円超となった。しかし、次第に機械や鉄鋼などの景気敏感株は売られ、米長期金利の先高観が薄れたためにこれまでは堅調に推移していた銀行株や保険株も目立って売られた。さらに、原油相場の大きな下落を受けて、石油関連株も売られた。そのうち株価指数先物で売りが優勢となり、日経平均は一時200円超の下げ幅となった。植田和男日銀総裁は本日の衆議院財務金融委員会で、長短金利操作(YCC)やマイナス金利を含む現在行っている大規模金融緩和を将来解除するとして、その時点では「(物価を考慮した)実質賃金が必ずプラスに転じていなければならないかというと、必ずしもそうではない」と述べた。つまり、そうなる前でも解除はありうるとの含みを持たせた。この発言は株式相場にボディーブローのように効いて来るのではないだろか。

日経平均の日足チャートを見ると、「三空踏み上げ」で急上昇した翌日は長陰線で反落して「たすき線」となり、その翌日の今日はさらに前日の陰線をつたうようにまた陰線で続落した。もし、明日もまた陰線でつたいながら続落すると高値圏での「(なだれ)三羽烏」となり、その後の大きな下げを暗示する罫線となる。さて、明日はどう動くか。トレーダーとしては、さらに大きく下げるなら売り玉の手仕舞い用逆指値をさらに引き下げる、つまり、トレーリングストプで付いて行くだけだが。

33業種中25業種が下げた。下落率トップ5は、石油・石炭製品(1位)、鉱業(2位)、パルプ・紙(3位)、銀行(4位)、電気・ガス(5位)となった。

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