着実に利益を積み上げたい個人投資家にはスイング・トレード

優利加さん
優利加さん
株を一旦買ったらそのまま何年も放置するのではなく、数日から数週間を目途に一旦は利益確定することを想定して行う短期トレードがスイング・トレードである。真剣に着実に利益を出し続けようとする個人投資家には、買ってから何年もただ放置する「長期投資」という名の放置プレーよりも、こちらの方が適している。同一銘柄のスイングトレード・トレードを繰り返して利益を着実に積み上げながら3年も5年も続ければ中期投資となり、さらに7年も10年も続ければ長期投資となる。スイング・トレードでは短期トレンドの波に乗り続けるため、上げ相場から下げ相場に転じれば自ずと買い目線から売り目線に切り替わっているため、潮目の変化に逸早く気付き、一旦持ち株をキャッシュに戻して待機し続け、下げ止まったら買い直して買いポジションを再び取るという賢明な行動ができる。長期投資という名の「言い訳」で拡大する含み損を無為無策で放置するのとは違い、含み損が膨らむということはない。つまり、資金は常に活きていて、利益を稼ぐために有効活用され続ける。その結果、資産回転率が高い。スイング・トレードの流れは、「①銘柄選択、②仕掛け、③利食い手仕舞い・ロスカット、④再仕掛け、⑤或いは次の銘柄への移行」となる。初心者のほとんどは銘柄選択が一番難しいというが、株価の原理原則を理解すればそれほど難しくない。赤字の場合は例外だが、株価Pは予想EPS(一株利益)と予想PERの積(掛け算)で決まる。予想PERを不変と仮定すれば、業績見通しが上向きならEPSが大きくなり、その結果、株価Pは上昇する。予想EPSが変わらなくても、何等かの好材料が出て来て投資家の期待が高まると、その度合いを示す予想PERが大きくなり株価は上昇する。一番力強い上昇は予想EPSも予想PERも共に大きくなる時である。そして、数週間から数カ月のトレンドは株価の移動平均線の傾きに現れる。相場の背景の変化に注意していると、銘柄選択をする際に絞り込みやすい。例えば、長期金利が非常に低い水準から上昇し始めるとメガバンク株は上がり始める。なぜなら、ビジネスモデル上、銀行は預金と貸出金の利ザヤが拡大するのに加えて、低い短期金利で資金を調達して内外のより高い長期金利の債券投資で運用する構造のため利ザヤが拡大すると誰もが予想するからである。さて、銘柄選択に比べると遥かに難しいのが利食い手仕舞いと再仕掛けである。その主な原因はチャート・リーディングの実戦的知識の不足、研究不足、実戦経験の不足である。株価のトレンドは原理原則でほぼすべて説明できるが、日々の細かい上げ下げは短期的には原理原則以上に大きな影響を与える要因がいくつかあるし、中長期的には上昇トレンドが続くとしても、必ずどこかで利食い売りが優勢となり反落する時が頻繁にある。単なる短期的な調整だと思い込み、そのまま放置していたらいつの間にか下落相場に入っていて、それが何年も続くこと珍しくない。だから、買ってから何年もただ放置しておくのは賢明な手法ではないのである。
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