TOPIX +2 @2,241
日経平均 +63円 @31,062円
米国では、米10年債の利回りが一時は5%まで上昇していたものが低下して4.85%で終えた。きっかけは米著名投資家のビル・アックマン氏が債券売りに賭けることはリスクが大きいと判断して、米長期債の空売りポジションを手仕舞いしたとXでツイートしたことだった。その結果、債券価格が上昇して利回りが低下したことだった。長期金利が下がれば成長株が買い戻され、ハイテク成長株が主力のナスダックは上げた。中東情勢の緊迫化から上昇していた原油価格も落ち着いてきた。ただ、経済が依然として強いことに加えて、財政悪化問題も抱えているため、米長期金利は大きく下げることは当面ないと見る向きも少なくない。
東京市場では、日経平均はザラバでは一時急速に値を下げて、下げ幅が400円を超える場面があった。しかし、前日までの3日間で約1,000円下げていたので、次第に自律反発狙いの買いが優勢となり切り返し始めた。日本株の立会時間中に米株価指数先物が堅調に推移していたことも買戻しを促した。ただ、ニデック(旧日本電産)の2023年4~9月期四半期決算が最高益を更新しても市場予想に届かなかったことで失望売りが殺到して10.5%安となった。ニデック同様、中国での売上比率が大きい他の企業も連想で売られる可能性が高い。
日経平均の日足チャートを見ると、非常に長い下ひげを引いた短陰線「たくり線」となった。安値圏での「たくり線」は下げ止まりから反発への狼煙の典型である。日本時間の今夜の米国株が大崩れしない限り、明日の日本株全般は自律反発狙いの買いが優勢となり大きく上昇すると見ている。売り玉は一旦、朝一で手仕舞いするのが賢明だろう。しかし、あくまでも自律反発狙いの買いと売り方の買戻しによる反発と見ており、そのままどんどん上昇するとは考えない方が良い。
33業種中20業種が上げた。上昇率トップ5は、精密機器(1位)、空運(2位)、鉄鋼(3位)、陸運(4位)、小売り(5位)となった。