「ベア・キラー(弱気相場の撤退)」の局面に入ったか?

優利加さん
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昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +65.57 @33,804.87, NASDAQ +96.84 @13,659.68, S&P500 +18.71 @4,376.95)。ドル円為替レートは149円台前半での動きだった。本日の日本株全般は上げた。自東証プライムでは、上昇銘柄数が1,317に対して、下落銘柄数は465となった。騰落レシオは87.99%。東証プライムの売買代金は4兆1765億円。

TOPIX +35 @2,342
日経平均 +558円 @32,495円

米国では、9月の米生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回る伸び(前月比+0.5%<8月+0.8%だったが、市場予想+0.3%よりも大きい、前年比+2.2%>市場予想+1.6%)となったが、ボスティアック米アトランタ連銀総裁が追加利上げに慎重な姿勢を示した。タカ派だったウォラー理事も「金融市場が引き締まりつつあり、我々の任務の一部を肩代わりをしている」との認識を示した。前日からの米連邦準備制度理事会(FRB)高官らによる相次ぐハト派発言が続き、米長期金利の低下(10年債利回りが4.65%台から4.55%台へ下がった)して、株式相場を下支えした。これにより、ダウ工業株30種平均は4日続伸した。少し前まで吹いていた三重苦(米長期金利上昇、ドル高、原油高)という逆風の風向きが良い方向へ変わりつつある。とは言え、未だにインフレ率高進ペースの明確な減速が確認できないため、政策金利は当面高止まりすると予想される。これに中東の地政学リスク(イスラエル対ハマス、イスラエル対イラン)の高まりも考慮しなくてはならない。

米長期金利の低下と米国株高を好感して、本日の日本株全般は続伸し、日経平均は558円高となった。特に、米ハイテク株が上げたので、東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連の値がさ成長株が急伸して日経平均を押し上げた。海外短期筋の断続的な先物買いに加えて、株価の急上昇を受けて売り方のロスカット目的の買戻しも入混じり大引けにかけて一段と上昇した。

日経平均の日足チャートを見ると、大陽線で続伸して3連騰となった。その結果、10日及び25日移動平均線の上に再浮上して来た。後100円ほど上げると3分の2戻しを達成する。米長期金利の低下もあり、10月を起点に株式相場が反転する現象である「ベア・キラー(弱気相場の撤退)」の局面に入ったとの見方が台頭して来た。さらに、10日発表された国際通貨基金(IMF)の最新の世界経済見通しでは、2023年の日本の経済成長率は前回7月時点の1.4%から2.0%へ大幅に引き上げられた。これも株式相場にとっては追い風となるだろう。

33業種中28業種が上げた。上昇率トップ5は、電気機器(1位)、機械(2位)、輸送用機器(3位)、石油・石炭(4位)、ガラス・土石(5位)となった。

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