いつの頃からか、「ビール離れ」という言葉がニュースに出るようになりました。
今回は、ビールを販売する大手4社について分析しましょう。
若者のビール離れの記事は10年前から出ていた
ビール離れは最近の問題ではなく、10年以上前から記事となっていました。
そしてコロナ禍で飲み会が減りました。日本では20代の4分の1が「あえてアルコールを飲まない」若者だと言われています。
そして2010年以降も、ビールを飲む人は減っていると思われます。
今回はビール離れを意識しつつ、ビール大手の以下4社の株価や売上高、今後の戦略について調べましょう。
- アサヒ(Asahi, アサヒグループホールディングス, 2502)
- キリン(Kirin, キリンホールディングス, 2503)
- サントリー(Suntory, サントリーホールディングス, 非上場)
- サッポロ(Sapporo, サッポロホールディングス, 2501)
まずはアサヒグループホールディングスです。2023年9月末の株価は2018年と同水準で、2015年より1.5倍程度となっています。
次はキリンホールディングスです。2023年9月末の株価は2018年より0.75倍程度、2015年より1.3倍程度となっています。
次はサッポロホールディングスです。2023年9月末の株価は2018年より2倍程度、2015年より2倍程度となっています。
株価のチャートの形はそれぞれ異なりますが、大まかには2018年までは上昇傾向、2020年まで下落傾向、それ以降は上昇傾向となっています。
サントリーホールディングスは非上場の会社です。サントリー食品インターナショナル(2587)という会社は上場していますが、こちらはサントリーホールディングスの子会社で、清涼飲料の大手となっています。
ビール大手4社の売上高は?
それでは2022年12月末の有価証券報告書を見てみましょう。
まず2022年12月末の年間売上高です。
アサヒは2兆5100億円、キリンは1兆9900億円、サッポロは4780億円、サントリーは2兆9700億円となっています。
では、コロナ影響下の2020年はどうでしょうか?
アサヒは2兆0300億円、キリンは1兆8500億円、サッポロは4350億円、サントリーは2兆3700億円となっています。
コロナ前に比較して、コロナの影響下では売上高が1割~2割くらい減っていますが、その後は上昇しています。つまり、ビール単体でいえば売上が減少している可能性がありますが、会社全体では売上は増加を続けています。
ビールの不調は受け止めつつ、他ジャンルの酒類・ノンアル飲料・食品等で売上を確保しているということですね。
ビール離れに対する大手4社の戦略は
2023年にもビール離れをキーワードに、ビール大手4社が記事に取り上げられています。
各社の売上高を頭に入れつつ、記事を読んでいきましょう。
売上高が大きいアサヒ、キリン、サントリーは新商品を展開しています。一方でサッポロは既存ブランドの品質強化などに力を入れる模様です。
これは筆者の感想ですが、商品の幅広さで勝負するアサヒ、キリン、サントリーは大企業らしい動きと見えます。
一方のサッポロが他の3社と異なる動きをするのは、売上高の大きい3社と似たような事をしては勝てないから、とも思えます。これはこれで一つの道と思えます。
この先ビール業界はどうなるでしょうか?また時々、株価や業績をチェックしたいと思います。
こちらの記事はnoteの投稿を転記して作成しています。
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