TOPIX +48.11 @2,312
日経平均 +752円 @31,747円
米国では、FRBのジェファーソン副議長が「追加的な引き締めがどの程度必要か見極める状況にあると考える」と述べ、米長期金利がかなり上がっているので追加利上げの必要性が低下したという趣旨の発言をした。また、ダラス連銀のローガン総裁も「長期金利が高止まりすれば政策金利を引き上げる必要性は低下するかもしれない」と述べた。さらにサンフランシスコ連銀のデイリー総裁も「年内あと1回」としていた利上げが必要なくなる可能性について言及した。これらFRB高官の発言により、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利が据え置かれるとの観測が高まり、米長期金利は低下した。これを好感して米国株式相場は続伸した。さらに、前週末に発表された9月の米雇用統計では非農業部門の就業者数が市場予想を大幅に上回る伸びとなったが、平均時給の前月比伸び率は予想を下回ったため、賃金インフレに対する過度な懸念は後退したことで、長期金利上昇圧力が弱まった。他方、中東では、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍が戦争状態に突入したために原油価格が急騰した。原油価格の上昇が長引けば、米国のインフレ率を押し上げる要因となる。ハマスの背後にはイランがいると言われており、イスラエルがイランを攻撃するような展開になると、イランの世界原油市場への原油供給力が下がり、それが原油価格をさらに押し上げる可能性もある。
本日の東京市場では、米長期金利上昇が止まるという見通しが高まり、米国株式相場の2連騰を受けて、売り方の買戻しも入混じり日経平均は大きく反発して751円高となった。上げ幅としては2022年11月11日以来11カ月ぶりの大きさとなった。ファーストリテイリング、東京エレクトロン、アドバンテスト、ソフトバンクグループなど値がさ成長株が買われ、中東情勢の緊迫化による原油高を材料としてINPEXや石油資源などの資源関連株と総合商社株も上昇した。FRB高官らのハト派発言が相次ぎ、米長期金利の天井感が意識されたため、ドル高・円安の動きが少し逆回転し始めた。中東でのハマスとイスラエルの戦争が激化すれば、リスク回避目的の円買いも意識されるため、1ドル=150円台は遠のいたようだ。
日経平均の日足チャートを見ると、長大陽線で急上昇して10日移動平均線の上に再浮上して来た。当面の目標を半値戻しと控えめに見ると32,000円くらい、3分の2戻しとすると32,500円くらいとなる。さて、どこまで反発するか。
33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、鉱業(1位)、海運(2位)、石油・石炭(3位)、卸売(4位)、電気・ガス(5位)となった。