TOPIX -33 @2,268
日経平均 -548円 @32,159円
8月1日にフィッチ・レーティングが米国の外貨建て長期債務の格付けをAAAからAA+に引き下げた余波が続いている。米長期債利回りは一時4.12%まで上昇して昨年11月9日以来の高水準となった。主要3株価指数は大きく下げた。
米国株式相場の下落を受けて、本日の日本株全般も続落した。日経平均は大幅続落となり下げ幅は一時500円を超えた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4%安(今年最大の下落率)となったため、東京エレクトロンやアドバンテストは一時3%下げた。TDKは10%も下げた。東証プライムでは、年初来安値更新銘柄が81となった。それでも海運株は逆行高となった。日本株は5月以来他国の株式相場と比べて上昇していたために、且つ、流動性が高いために、利益確定のために売られやすい。目先は短期筋が勢いに乗って先物主導で売り仕掛けをしてくる可能性が高い。
日銀は13時過ぎに動いた。臨時の国債買いオペを実施して長期金利の上昇に歯止めをかけようとした。その効果があり、外為市場では円安・ドル高となった。今回の米国債格下げショックには前例がある。2011年にS&Pが米国債格付けをAAAからAA+に引き下げたことがきっかけで株価は大きく調整した。その時は8月月間で日経平均は9%下落した(9833円→8955円)。今回の株価水準に当てはめると約3,000円の下げになる。つまり、30,500円程度まで下げる計算になる。格下げにより、本来なら債券は売られて利回り(=長期金利)は上昇するはずだったが、寧ろ、債券買いが増えて米長期金利は下げた。その結果、外為市場では円高・ドル安が進んで日本株の下げを加速した。これに対して、今回の格下げショックでは、今のところ円高・ドル安とはなっていない分だけ格下げショックのインパクトは弱くなるというのが合理的な推論だが、生の相場は必ずしも合理的に動くわけではないので油断禁物である。
日経平均の日足チャートを見ると、2日連続で窓を空けて急落して「二空叩き込み」となった。32,000円辺りが下値支持線として意識されるレンジ相場の下限であるが、そこまであと少しである。もし、32,000円のレンジの下限を底抜けして下げると、今度は32,000円が上値抵抗線に変わり、上値を抑える側に役割が変わる。
33業種中、海運とパルプ・紙の2業種を除く31業種が下げた。下落率トップ5は、非鉄金属(1位)、輸送用機器(2位)、ゴム製品(3位)、鉱業(4位)、保険(5位)となった。