TOPIX +27 @2,279
日経平均 +402円 @32,896円
米国では、6月小売売上高が前月比+0.2%の伸びとなり事情予想の+0.5%を下回った。これにより米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ長期化懸念が後退して、株価を押し上げた。また、バンク・オブ・アメリカやモルガンチェースなどの大手金融機関の決算が軒並み市場予想を上回ったことも株価全般を下支えした。主要3株価指数は揃って年初来高値を更新した。
米国株高の流れを受けて、本日の東京市場では東京エレクトロン、ファーストリテイリング、ソフトバンクなどを中心に上げて、日経平均は400円超上げた。外為市場では為替が円安・ドル高に転じたことも自動車関連株を押し上げた。円安・ドル高に転じた背景は、日銀の植田和男総裁が持続的・安定的な2%の物価目標の達成には「まだ距離がある」との見方を示したことである。この発言により、日銀が7月27~28日に開く金融政策決定会合で金融政策の修正に動くという観測が後退した。
海運株が良く動く。目先上げている限りは買いで良いが、業績見通しから中長期的には下げると見ている。但し、25日移動平均線が下向きに転じるまでは売り仕掛けはタイミングが早すぎる。2024年3月期の業績見通しは海運大手3社とも前期比7~8割の減益見通しである。これを打ち消して同じ株価水準を維持するためには予想PERが現在の4~5倍になる必要がある。例えば、商船三井は現在の予想PER=6.3倍なので、8割減益となっても現在の株価(=3,700円程度)を維持するためには5倍のPER30倍程度まで人気が沸騰する必要がある。果たしてそんなことは起こるだろうか。
33業種中すべての業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、輸送用機器(2位)、証券(3位)、鉱業(4位)、不動産(5位)となった。