TOPIX -7 @2,236
日経平均 +14円 @32,204円
米主要3株価指数は4日ぶりに反発した。7月12日には6月の消費者物価指数(CPI)、13日には6月の生産者物価指数(PPI)の発表があるのでその前に買戻しが優勢となった。
本日の東京市場では、日経平均が前日までに5日続落していたため、米国株の反発を受けて押し目買いが優勢で始まった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の上昇を好感して、アドバンテストや東京エレクトロンなどの半導体関連銘柄が上昇して、日経平均の上昇幅は一時270円を超えた。しかし、後場になると売りに押された。特に、円相場が140円台の円高・ドル安水準になり、トヨタ自動車などの自動車株は売られた。需給を悪化させると警戒されてた上場投資信託(ETF)の分配金捻出目的の売りは7日と10日で出尽くしたと見られているため、買い安心感は出て来たと見る。ただ、外為市場では、円高・ドル安が急速に進んだため、輸出関連銘柄の売りにつながり易く、株式相場全体の重石となりそうである。
では、なぜ今、急に円高・ドル安方向へ振れ出した(1週間で4円の円高)のだろうか。それは7月27~28日の金融政策で日銀が長期金利操作(YCC:イールド・カーブ・コントロール)の修正を行う(利上げ方向へ)との観測が浮上して来たからである。7月7日に発表された5月の毎月勤労統計調査で、名目賃金である一人当たり現金給与総額が前年同期比2.5%増加した。さらに、生鮮食糧費を除く消費者物価指数(CPI)も2022年4月以降は前年同月比2%を上回って推移しているため、YCCの修正を行う大義名分が成り立つ。もし日銀がYCCの修正を実施して、7月12日発表の6月の米消費者物価指数(CPI)がインフレ減速を示すような内容ならば、ドル金利は先行き低下して日米金利差が縮小するとの見通しから円高・ドル売りが進むと予想される。
日経平均の日足チャートを見ると、高く始まったが売りに押されて陰線で終えた。安値は更新していないが、昨日と同じくらいの実体の長さの陰線が並んだ。売り材料がまた出てくればさらに下げそうな線である。ダブルトップ形成、且つ、25日移動平均線を割り込んでいる。相場の定石では、次の戻りがあればそれが買い方の最後の逃げ場となる。さて、どう動くか。
33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、輸送用機器(1位)、電気・ガス(2位)、医薬品(3位)、保険(4位)、空運(5位)となった。