スタンダード 機械
【概要】
【基本データ】2024.05
- 町工場をルーツとする金属旋盤メーカー。
- 1970年に有限会社として設立、90年に現業態に。事業は1.カム式自動旋盤(祖業)、2.小型旋盤を固定するコレットチャック(主力)、3.薄利多売だがスキル向上に寄与する再研磨サービスと工業用ドリル。これら3分野の工作機パーツをオーダーメイドでこなす技術力が売り。
- PER 43→49→50→53:悪化傾向
- PBR 1.1→1.2→1.3
- 配当 5.4→5.0→4.7:DOE3%以上(配当性向161%)
- ROE 3.7→2.2:利益率が低下。
- 自己資本 91%
- 営利率 15.6
- 業績:横這い、利益率低下中。
- 来期:減収減益。
- 四季報:底這い→横ばい圏
- 株主構成:関係者が30%、外国人15%、鎌倉投信。大口が撤退中。
- 経営者:○:幹部は叩き上げ、先年初の野村證券出身者が社長に。
- チャート:6月の権利確定前に上昇、後に下落。200線は上昇トレンド。
- 判断:変動:1300-2200、買:‐1800、売:上2200‐ 理論:1479
【社会のニーズ】
- 小型NC旋盤の補修部品を高品質・短期で提供。消耗品なので受注が継続しやすい。
- 取引先を大事にする。製造終了したカム式旋盤器のパーツを採算度外視で販売。
- 従業員を大事にする。蓄積した資本を自社株として従業員に無償贈与中。
【トピック】2024.05
- 手厚い自己資本で無借金経営。そのためROEは低いが、営業利益率15%と高収益。
- 配当はROE改善を兼ねてDOE3%以上と配当性向100%超を実施。さらに従業員への株式無償譲渡を2025年度まで実施。
- 強みは短納期・高品質の付加価値性、消耗品なので継続需要があること。
- 弱点は景気に左右されやすく、蓄積した資産を活かしていないこと。売上がジリ貧傾向で、材料費の高騰から利益率の低下など。
- 21年より実施している従業員への株式無償譲渡は24.12末に一部のロックアップが解除される(20万株/浮動株150万株)。
- 24年3Qで下方修正、原因は北米と中国の不況。
- 大量保有していたアセットバリュー社が、持ち株を減らしている。10.1→9.0→8.0と、一か月ごとに1%ごと処分しているようだ。
【投資判断】
- 毎年配当後に大きなボラが発生。近年は配当分を超える10%以上も変動。スタンダードは規模が小さく、配当目的の個人の動向が反映されやすい。
- 株価は長期で上昇トレンドだが、業績と利益率が横ばいで成長性乏しい。
- 数値は割安だが市場評価低く、1900円台は既に高値圏。配当の権利確定前に2300円前後まで上昇可能性あるが、投資の妙味は1800円以下。
- 24年の通期予測は増収増益→減収減益に下方修正。海外のマイナスを国内の自動車産業でカバーできていない。
- 以上のことから持ち分売却した。再購入は25年以降の状況を見てから。
【参考】
- 工作機械統計(日工会):工作機の補修部品なので機械受注と相関性。