木下 晃伸さんのブログ

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【投資脳のつくり方】ホンダ、下期営業赤字1900億円

■いつもお読みいただき、ありがとうございます。

経済アナリスト、木下晃伸(きのしたてるのぶ)です。

■為替円高により、ホンダが下期営業赤字に転落する発表をしました。

一方、円高に振れるということは、“内需”に魅力が増しているということ。

本日も、金融株などが好調を持続しています。

■そこで、本日は、日本に関連するニュースを3本、お届けしたいと思います。

┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓

2008年12月18日(木)本日お伝えする内容はこちら!

1.【日本】ホンダ、下期営業赤字1900億円

2.【日本】富士電機のモーター事業、日本電産が買収撤回

3.【日本】新顔グリー「ミクシィ超え」

>>http://www.terunobu-kinoshita.com/20081218-toushinou.pdf

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■編集後記
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仕事もいよいよ年末モードに差し掛かってきました。

ただ、来年に向けての取り組み等、年内に方向性を決める打ち合わせも多く
あります。

来年はどんな1年にしたいか、考えて行動しています。

それにしても、今年は本当にいろいろありました。一方で、本当に学びの多
い1年になったな、とも思います。

来年は自分の能力を高め、予測精度向上を図り、さらに活動範囲を広げながら
視野を広げる1年にしたいものです。

1.【日本】ホンダ、下期営業赤字1900億円

(出所)2008年12月18日付日本経済新聞朝刊1面より

 ●中間決算発表後、初めての赤字転落
 ●円高も悪影響
 ●外需企業への投資は、時機尚早

ホンダは17日、2009年3月期下期(08年10月―09年3月)の連結営業損益(米国会計
基準)が1901億円の赤字(前年同期は4450億円の黒字)に転落する見通しだと発表
した。従来予想は1798億円の黒字。下期に営業赤字に陥ったのは中間期決算公表
以降初めて。また、業績悪化に伴い1957年の上場以来初の減配も決定。

●HONDA MOTOR CO., LTD. (ADR)(Public, NYSE:HMC)

http://finance.google.com/finance?q=NYSE:HMC 

福井威夫社長は17日の記者会見で、「11月以降、世界中で急速に新車販売が落ち
込んだ」と、上期の決算発表後1カ月半で大幅な業績下方修正に追い込まれた理由
を語った。

通期の世界販売は7%減の365万台と、計画を36万5000台下回る。特に北米は14%
減少し、80年代以降初の二ケタ減となる。アジアなども苦戦し、販売面だけで
610億円の減益要因(計画は1410億円の増益要因)となる。

また、13年5か月ぶりに1ドル87円水準となった為替も業績悪化の大きな要因だ。
円高は3600億円の減益要因。

単なる在庫調整にとどまらず、稼ぎ頭であった北米は需要回復の兆しが見えない。
自動車がこれだけ苦しいと、自動車部品メーカーはもちろん、素材に至るまで
波及していく。海外、なかでも北米主体の企業への投資は、下方修正が一巡する
来年2月ごろまでは投資タイミングとしてはまだ早いと考える。


2.【日本】富士電機のモーター事業、日本電産が買収撤回

(出所)2008年12月18日付日本経済新聞朝刊11面より

 ●日本電産がM&A案件を撤回
 ●環境変化がM&A市場にも大きな影響
 ●シナジー効果が見込めるM&Aかどうかを見る

日本電産が富士電機ホールディングス(HD)のグループ会社で産業用モーター
を手掛ける富士電機モータ(三重県鈴鹿市)の買収計画を撤回することが17日、
明らかになった。景気低迷による事業環境の急変で富士電機モータの収益が悪化、
買収額などの条件が折り合わず、富士電機側と交渉打ち切りを決めた。世界規模で
広がる急激な景気変調がM&A(合併・買収)の交渉にも影響を及ぼした。

日本電産と富士電機HDは10月1日、日本電産が富士電機モータの第三者割当増資
を引き受けて6割を出資することで基本合意したと発表したばかり。
2009年1月1日付で、日本電産が富士電機モータを子会社化する計画で、買収額の
交渉を進めていた。

一方、環境の激変によりかえってM&Aが進展した事例も出た。進展が見られた
三洋電機買収を巡り、パナソニック(旧松下電器産業)は三洋大株主の
米ゴールドマン・サックス(GS)グループなど金融三社から保有株を譲り
受けることで合意した。買収価格が低いとして拒否していたGSは投資回収を
急ぐため、一転して現在の三洋の株価(17日終値で143円)より低い価格で売却
に応じることにした。

M&Aは、ニュース性が取りざたされることが多いが、本当に重要なのはM&A後
のシナジー創出だ。私自身、4度のM&Aを経験しているが、相手に対する尊重
など、新しい会社として成長する意識がないとM&Aの効果は発揮されない。そ
の点でM&A巧者である日本電産が富士電機との交渉をはじめ、M&Aを焦ってい
ないことはかえって日本電産の強さを実感する事例ではないかと思う。


3.【日本】新顔グリー「ミクシィ超え」

(出所)2008年12月18日付日経産業新聞3面より

 ●IPO市場に久々の大物「グリー」
 ●東証マザーズ1位に登場
 ●ネット業界は、黎明期、成長期を経て、第3ステージへ

ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)運営大手グリーは17日、
東証マザーズに株式を上場した。株式市場の低迷が続くなか、公募・売り出
し価格3300円に対し初値は約1.5倍の5000円を付けた。終値ベースの時価総
額は1070億円。SNS最大手のミクシィを上回り、東証マザーズ首位に躍り
出た。

グリーの2008年6月期の連結売上高は29億3700万円で、最終利益は5億8200万
円。これだけを見ると、3倍以上の売り上げ規模があるミクシィに見劣りする。
会員数、ページ閲覧数でも、グリーはミクシィの半分弱。しかし、グリーは
09年6月期に、最終利益で約5.5倍の32億円と急拡大を見込んでいる。

同じSNSといっても、ミクシィが広告モデルのSNS運営を主体とするの
に対し、グリーは携帯電話向けにゲームを提供するコンテンツ開発会社の色彩
が濃い。ゲーム自体は無料だが、ゲーム内で使うアイテムなどを販売する。
例えば、釣りのゲームなら、いい竿を買えば、それだけ釣果が上がる。そう
やって利用者に課金する仕組みを今期に確立したことが大幅増益を見込む背景
にある。

ただし、グリーの上場から分かることは、時価総額の規模云々ではない。
ネット関連企業の上場に目新しさがなくなっているということだ。これは、
サービス、インフラ等々、新しい進化があるわけではなくなっているという
ことを意味する。革命を経て、身の回りの普通のサービスとしてネットが機能
している意味を考えなければならない。

これからはネット企業を興すより、ネットの環境を活かすことを考えていく
企業が増えていくだろう。その意味ではまだネットの活用が企業ベースで進
んでいるとは言い難い。ネットビジネスは、第3ステージに突入し始めた。
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