TOPIX +6 @2,300
日経平均 +221円 @33,706円
前日に連邦準備制度理事会(FRB)は6月の利上げは停止すると発表したが、パウエル議長は経済指標次第ではまだ利上げをするとの含みのある発言もしている。5月小売り売上高が予想に反して増加した(前月比+0.3%>市場予想-0.1%)ことに加えて、新規失業者申請件数が予想を上回って悪化(26.2万件>市場予想24.9万件)した。前者は景気後退の懸念を後退させ、同時に、後者は利上げ打ち止め期待を高めた。後者を受けて、米長期金利(10年物国債利回り)が下がり(3.79%台から3.72%台へ)、それを好感したハイテク成長株が続伸しただけでなく、物色のすそ野が拡大してほぼ全面高となった。
本日の東京市場では、大規模な金融政策の継続を決定したが、期待されていた衆議院の解散の可能性はなくなったことで、日経平均は前場では下げた。しかし、昼頃には日銀の金融政策決定会合で予想通り大規模金融政策を維持すると発表されると、日経平均は切り返して上昇に転じた。総合商社は年初来高値を更新した。
投資家が短期投資家(先物)から長期投資家(現物)に移り始めており、出遅れ銘柄に物色の対象が拡大して来た。その一つが野村HDだろう。会社側が14日に公表した5月の営業成績では、株式の募集買い付け額は前月比46%増、投資信託も前月比34%増と伸びた。これが足元の株高の引き金となった。ただ、24年3月期予想はこの半年間、アナリスト予想が切り下がっている。
日経平均の日足チャートを見ると、昨日は長い上ひげを引いた「トウバ」に準じた売り線が出現したが、本日は下げて始まってから切り返して陽線で終え、終値ベースではバブル崩壊後の戻り高値を更新した。ただ、この3日間は高値圏でほぼ団子状態である。それでも、週足で見ると、週間ベースでは10週連続の上昇となり、連騰記録が歴代4位タイとなった。終戦後の1945年5月に東京証券取引所で取引が始まって以来、10週以上の連騰は7回目である。とうか、7回しかないほど稀なことが起こっている。
33業種中21業種が上げた。上昇率トップ5は、空運(1位)、鉱業(2位)、医薬品(3位)、卸売り(4位)、化学(5位)となった。