TOPIX +30 @2,295
日経平均 +484円 @33,502円
5月の米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化した。前年比+4.0%<市場予想4.1%、且つ、2021年3月以来の低い伸びとなった。これにより今回の6月FOMCでは金利は据え置かれる、つまり、追加利上げは見送られるとの見方が強まったため、米国株式相場は続伸した。米国経済の楽観的見通しの下「金利高」のなかの「株高」が続いている。
米国株式相場の続伸を受け、本日の日経平均は大幅続伸して心理的節目の35,000円台を回復した。この水準は1990円3月以来およそ33年ぶりの高値である。日経平均の上げ幅は一時600円を超えた。足元の日本株の強さの源泉は次の3つだろう。(1)米連邦準備制度理事会(FRB)が6月14日まで開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るはずだという観測、(2)衆議院が解散され、「国政選挙は株高」というアナマリーに対する期待、(3)上がるから買い、買うからさらに上がるというモメンタム。
ただ、変化の兆しはある。今まで日経平均の上昇をけん引してきたアドバンテスト、東京エレクトロン、スクリーンなど値がさ半導体関連銘柄の一部が売られた。主役交代が起りつつあるか。出遅れ銘柄に買いのすそ野が拡大すれば息の長い上げ相場になる。ただ、今までのところ、特定の大型株に偏った上げ相場になっている。今年3月末から6月13日までの期間で、日経平均は4,977円(17.8%)上昇したが、225銘柄中上位10銘柄だけで上昇幅の50%に相当する約2,500円分押し上げた。上位30銘柄まで拡大すると、実に上げ幅の75%を占める。同様の傾向は米国株にも当てはまる。今年に入ってからのS&P500の上昇はアップルをはじめとする僅か7銘柄がその上昇幅の何と8割を占めている。
日経平均の日足チャートを見ると、4月11日に株価サイクル3(着実な上昇局面)に入ってからずっとその局面が継続している。少しの押し目を経て4日連続で大幅続伸しており、「三空踏み上げ」となっている。さらに、25日移動平均線乖離率が+7.4%まで拡大しているので、流石に短期的な過熱感が高まっている。きっかけさえあれば、6月7日~8日のように急反落することも想定しておきたい。例えば、米FRBが市場の予想に反して追加利上げを決定すること、或いは日銀が金融政策を修正すると発表することなどが考えられる。
33業種中31業種が上げた。上昇率トップ5は、輸送用機器(1位)、鉄鋼(2位)、非鉄金属(3位)、卸売り(4位)、空運(5位)となった。