TOPIX +37 @2,220
日経平均 +693円 @32,217円
米国の債務上限を引き上げる「財政責任法案」が上院を通過したことで米国のデフォルトが回避されることが確実となった。5月の米雇用統計の内容が強弱まちまち(非農業部門雇用者数が33.9万人増>予想19.0万人、しかし平均賃金率は前年比+4.3%<予想+4.4%、失業率は3.7%>予想3.5%)となり、6月13~14日の米公開市場委員会(FOMC)では追加利上げが停止するのではないかという観測が株式相場を押し上げた。
米国株の大幅高を好感して、海外勢が株価指数先物を大量に買ったことで、本日の日本株全般は幅広い銘柄が買われて日経平均は3日続伸し、32,000円台を回復した。1990年7月以来、33年ぶりの高値である。円安・ドル高が進行して自動車株を中心に輸出関連銘柄も買われた。OPECとロシアなど非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」が協調減産を延長することを決めたため原油先物相場が急伸した。それを好感して石油関連銘柄も買われた。
日経平均の日足チャートを見ると、5月29日のバブル崩壊後のザラバ戻り高値@31,560円を明確に上放れした。6月4日にモルガンスタンレーがTOPIXの目標値を2,200から2,400へ引き上げた。日本株の売買シェア6~7割を占める外国人投資家の買い上げる力は恐るべしと言わざるを得ないだろう。逆に言えば、下げる時も同じことが言える。何のために彼等が今買っているかと言えば、ある程度利益が出てきたら、そう遠くはない将来に売り抜けるためであることを忘れてはならない。
日本株の割安さに注目して外国人投資家は5月26日まで9週連続で現物株を買い越しており(4兆円超)、これは6年ぶりのことであり、足元の日本株最大の買い手となっている。投資主体別売買動向 | 信用・手口 | トレーダーズ・ウェブ (traders.co.jp) ドル建てで評価すると日本株買い持ちポジションはドル高効果により上昇がまだ顕著となっていないが、急上昇を続けて来ただけに日本株の割安さが薄れて来たことにも注意が必要である。TOPIXの予想PERは昨年2022年末には12倍だったものが13.9倍まで回復しており、過去10年間の平均値へ回帰して来た。これは欧州株の13倍弱よりも高い。但し、米国株の19倍と比べれば低いが。
33業種中、電力・ガスを除く32業種が上げた。上昇率トップ5は、機械(1位)、海運(2位)、繊維製品(3位)、鉱業(4位)、鉄鋼(5位)となった。