2023/07/11より、日興TOPIX-ETFの東証における売買単位が引き下げとなります。
現行は100口単位で、最小売買金額が約21万円です。引き下げ後の売買単位は1口で、最小売買金額は2100円程度になります。
最小売買金額が小さくなることは投資家の利便性向上につながる一方、売買スプレッドが拡大する方向に変化するおそれがあります。
東証における直近の呼び値の刻みは0.5円であり、TOPIX先物ラージと同程度のスプレッドです。1口単位の取引になれば、刻みは1円単位となります。マーケットメーカーの利ざや拡大と、投資家のコスト負担増大をもたらすでしょう。
ただし、PTSでは売買単位が東証とは異なる設定となるかもしれません。
例えば、JapanNextPTSでは、1株5000円以下の銘柄は1円未満の刻みとなり、約定金額の小数点以下の端数が含まれないようにするため、最低売買単位が10口となっています。
また、信用取引の買い方が負担する「名義書換料(権利処理等手数料)」は、1売買単位に比例する料金がかかるため、同じ口数を処理する場合、売買単位が100分の1になると、料金は100倍になります。
上場当初の日興TOPIXは売買単位は1000口であり、他のTOPIX-ETFと比して最小売買金額が約10倍でした。古いパンフレットには、売買単位は1000口単位と書かれています。
売買単位が大きい理由の一つが「コスト」だったと記憶しています。昔と今では、コスト構造が異なるかもしれないので、細分化しても問題ないのでしょうか。
投資家目線では、多様性がなくなる方向に変化する意味があるのか? と思う次第です。マーケティング上の理由で変化することにしたんだろうが、最小売買金額を数千円にする意味があるのか? 最小売買代金が小さい銘柄だからこそ投資するヒトは、売買スプレッドを気にしないのか?