TOPIX +14 @2,041
日経平均 +144円 @28,659円
米国株式相場は神経質な展開で一時は下げたが、結局反発して終えた。4月の米NY連銀製造業業況指数が10.80(>全月分-24.60、市場予想-18.00)と強い結果となった。これにより景気悪化懸念は後退したが、その分だけ米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げが長期化する懸念は高まった。
米景気の先行き見通しの懸念が和らいだことで、本日の東京市場では景気敏感株の一角が買われ、銀行株や保険株など7割超の銘柄が上げた。日経平均は8日続伸(2022年3月中旬以来8カ月ぶり)した。終値ベースでは年初来高値を更新するほど上昇して来たため、利益確定売りが増加して上値を抑えた。また、台湾積体電路製造(TSMC)が設備投資を減額すると報道されたため、東京エレクトロンやアドバンテストなどの値がさ半導体関連銘柄が売られて相場全体の頭を抑えた。
日経平均の日足チャートを見ると、3月9日の戻り高値@28,734円にほぼ届いた。ここから一気に上抜けすればさらに伸びると期待できるが、この水準辺りで横這いになり始めると次第に売りが増加して行き、その内に売りが優勢となるパターンが生じやすい。
終値ベースでは米シリコンバレー・バンク(SVB)などの経営破綻を背景とした「SVBショック」をきっかけに株式相場が急落する前の終値ベース年初来高値@28,623円(3月9日)を上回った。しかし、今回の戻り相場の原動力は海外ヘッジファンドを中心とした売り方の買戻しと見ることもできるので、半身の構え(基本的に買いポジションだが下げ始めたら則売りつなぐ)で臨みたい。米サプライマネジメント協会(ISM)が今月発表した3月米製造業景況感指数は好不況の分水嶺である50を5カ月連続で下回ったためまだ楽観は禁物である。また、日銀の植田和男新総裁はそう遠くない将来に確実に金融政策を修正するはずである。まず手始めに、長短金利金利操作(イールド・カーブ・コントロールYCC)の修正が行われるだろう。そうなると、株式相場には大きなマイナス要因になることは確実だが、そのタイミングは、通常、突然発表されるので事前には分からない。
33業種中26業種が上げた。上昇率トップ5は、水産・農林(1位)、その他製品(2位)、情報・通信(3位)、小売り(4位)、銀行(5位)となった。