TOPIX +1 @2,008
日経平均 +74円 @28,157円
米国株式相場は買い優勢で始まりダウ工業株30種平均は一時210ドル高まで上げたが、午後に発表された米公開市場委員会(FOMC)議事録要旨で、金融危機によるマイルド・リセッションが懸念されたため、売り優勢となり下げて終えた。
東京市場では、米景気の減速懸念から幅広い銘柄が売り先行で下げたが、切り返して日経平均は5営業日連続で上げた。米物価指数の伸びが市場予想以下となったために利上げが長期化するのではないかという心配が和らいだ。その結果、長期金利の上昇懸念が低下して、値がさ成長株の一角が買われて相場全体を下支えした。ファーストリテイリング1銘柄だけで日経平均を約60円押し上げた。ただ、FOMC議事録要旨は金融不安による米経済下振れリスクに言及したことから景気敏感株は売られ、長期金利が上がらないとうことで、長期金利上昇の恩恵を受けるはずだった銀行株や保険株は軟調となった。それでも、輸送用機器、倉庫などのPBR=1倍割れ銘柄は総じて堅調だった。これら割安株の堅調さは相場の下支えにはなっているが、株式相場全体が力強く上値追いをするためには半導体株関連銘柄などの主力製造業の上昇が不可欠である。そのためには、少なくとも米長期金利が天井を打ったと誰もが確信するような状況になることが必要である。
日経平均の日足チャートを見ると、下げて始まったがその後切り返して長陽線で終えた。上向きの10日移動平均線の上を滑り上がるように上げている。4月4日高値@28,287円が当面の目標であり、且つ、上値抵抗線として意識される。ただ、上昇軌道が安定するには米景気の不安要素がまだ多すぎるため、暫く上げたと思ったら手のひらを反すように反落することもしばしば起こると覚悟しておきたい。常に「治に居て乱を忘れず」を意識しておくことが「生涯現役の株式トレーダー」として有終の美を飾る秘訣だと肝に銘じておきたい。
33業種中18業種が上げた。上昇率トップ5は、医薬品(1位)、小売り(2位)、倉庫・運輸(3位)、その他金融(4位)、サービス(5位)となった。