TOPIX +5 @2,023
日経平均 +99円 @28,287円
3月の米ISM製造業購買担当者景気指数(PMI)が46.3と2月の47.7から悪化し、市場予想の47.5も下回った。これを受けて米長期金利が急低下し始め、3.5%台半ばだったものが一時は3.4%台へ下げたことを好感してダウ工業株30種平均は大きく続伸した。
本日の日本株全般は高安まちまちだったが、日経平均は3日続伸した。ただ、利益確定売りや戻り待ちの売り圧力が強く、上値は重かった。米国の景気減速懸念から中外薬品やアステラス製薬などのディフェンシブ銘柄が買われた。原油先物相場(WTI)が大幅上昇したため、INPEXや総合商社など資源関連株も買われた。足元で信用売り残が積みあがって来た海運株も売り方の買戻しにより予想通り上げたが、買戻し圧力が早晩衰えるのである程度戻ったらまた下がり始めると見ている。
日経平均の日足チャートを見ると、昨日の十字線に並ぶように短い下ひげを引いた短陽線で終えた。昨年3月中旬以降のレンジ相場の上限に近づいてきた。明日、もし昨日安値の28,120を割り込んで終えるようだと売り圧力が増加して下に押し込まれそうに感じるが、さてどう動くか。
足元の原油高が長引けばインフレが収まらず、FRBによる金融引き締めが長引くとマーケットは予想し、株価に対する下押し圧力が強くなる。結局、米景気減速懸念による株価下落圧力と、景気減速を先取る形で長期金利が徐々に低下することによる株価浮揚圧力のせめぎ合い次第で株価のベクトルの方向はほぼ決まる。インフレがピークアウトしてFRBの利上げ停止が明確に視野に入ってくると、株価の上昇は腰が入ったものになるのだが、それがいつになるのかはまだ暗中模索である。予想することが当たっても外れても、それが仕事の人はそれに精を出せば良いが、我々、株式相場の実践家であるトレーダーは予想にあまり時間と労力を投入しても益が少ない。時間と労力を最もつぎ込むべきことは自分の意志でコントロールできることだけである。自分でコントロールできないことはただ潔く受け止め、それに対して賢く反応すれば良い。これは相場に限らず人生のすべてについて言えることである。
33業種中24業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、その他製品(2位)、鉱業(3位)、電気・ガス(4位)、陸運(5位)となった。