「時の利」の変化に上手に反応して波乗りする!

優利加さん
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先週末の米国株式相場は続伸した(DJIA +132.28 @32,237.53, NASDAQ +36.56 @11,823.96, S&P500 +22.27 @3,970.99)。ドル円為替レートは130円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,239に対して、下落銘柄数は515となった。騰落レシオは112.16%。東証プライムの売買代金は2兆2884億円。

TOPIX +7 @1,962
日経平均 +92円 @27,477円

クレディ・スイスの経営不安がまだ冷めないうちに、ドイツ銀行のCDS(クレジット・ディフォルト・スワップ)の保険料が突如上昇して同銀行の経営破綻リスクが意識された。ドイツ銀行株は大幅安となり、その米国預託証券(ADR)は一時8%超下落した。これに対して、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が必要なら流動性を供給すると発言したことで、下げ幅を3.11%まで縮小して終えた。ドイツ銀行株の大幅安を受けて金融システム不安が高まり、米国株式相場は下げて始まったがドイツ銀行株が下げ幅を縮小したため、米国株式相場は上昇して終えた。

米国株の反発を好感して、さらに3月29日の配当権利付き最終売買日が近づいているため、本日の日本株全般は3営業振りに反発した。ただ、欧米の金融システム不安は根強く、上値を買い上がろうとする動きはほとんどなかった。また、米国では半導体関連株が安かったため、東京市場でも半導体関連株は下げ、銀行株と共に相場全体の足を引っ張った。他方、ディフェンシブ銘柄である鉄道や医薬品は買われた。さらに、最近は銀行株と反対に動く傾向が強い不動産株も日米長期金利の低下基調を好感して上げた。

日経平均の日足チャートを見ると、下向きの10日移動平均線の上に再浮上して来た。3月10日以来2週間ぶりである。これにより、3月16日安値@26,632円が当面の底値だったと判断でき、ここからの下げを逆張りで買い下がるという戦術もあるが、結果的に3月16日安値を更新してさらに下げて、これは単なる戻りの始まりだったということになるかもしれない。どちらのシナリオも想定しておきながら、波乗りを続けるしかない。今現在、我々が意識しておくべき「天の利」(マクロのファンダメンタルズの変化)は(1)米国金利がどこまで上がりその最終的な高さどれくらいなるかというターミナル・レートの高さ、そしてその高金利がどれだけ長く続くかという継続期間、(2)その高金利政策により米国経済がダメージを受けてどこまで景気減速するか、(3)米国の高金利政策が必ず引き起こすであろう何らかの危機(既に米国と欧州でその芽が出ている)とその危機が世界経済にどれだけの脅威となるか、の3点である。但し、どんなに精緻に分析しても未来を正確に予想することはできない。当たるか外れるかだけである。だから正確に予想しようとすることは「よそう」と昔の賢人は言い残した。我々がより意識を向けるべきことは、「地の利」(株価の中期トレンド)と「時の利」(株価の短期トレンド」であり、そして最も意識を集中すべきことは建玉操作の技術により「時の利」の変化に上手に反応して波乗りすることである。突き詰めれば、「円月殺法音無しの構え」になる。その際肝に銘じておくべき合言葉は武田軍の旗印「風林火山」である。

33業種中25業種が上げた。上昇率トップ5は、陸運(1位)、卸売り(2位)、不動産(3位)、ゴム製品(4位)、医薬品(5位)となった。

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