TOPIX -23 @1,937
日経平均 -219円 @27,011円
米国の金融不安が大西洋を超えた。金融不安が続くスイス大手銀行のクレディ・スイス・グループは筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンクが追加出資を拒否したと報道されると、株価が急落して過去最安値を更新した。ダウ工業株30種平均は一時、720ドル安まで急落したが、切り返して280ドル安までもどして下げ幅を縮小した。クレディ・スイスのADRは約14%安となったのは当然として、シティ・グループも5%超下落した。リスクオフ・ムードが高まる中、米国債が買われて10年債利回りは前日の3.63%台から3.46%台へ急低下した。3月21~22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げを見送るのではないかという観測が高まってきた。米長期金利の低下を反映して、外為相場では円高・ドル安となった。
米国株がまた大きく崩れたことで、本日の日本株全般も大きく下げる銘柄が多かった。米国国内の局地的だと思われていた金融不安が欧州へ飛び火したことを警戒し、銀行・証券・保険をはじめとする金融株を中心にほぼ全面安で大きく下げた。日経平均の下げ幅は前場では500円を超えたが、クレディ・スイスがスイス国立銀行(中央銀行)から最大で500億スイスフラン(約7兆1000億円)を借りる用意があると表明すると下げ幅を縮小し始めた。その後は徐々に下げ幅を縮小して下ひげを引いた長陽線で終えた。米長期金利が下げたため、理論通り成長株の一角は買われた。
日経平均の日足チャートを見ると、大きくギャップダウンして始まったが、その後は切り返して下ひげを引いた長陽線で終えた。チャートで見る限り、これで少なとも一旦は下げ止まったが、これをも打ち消す悪材料が続けて飛び出すこともあるので、心と建玉の準備は常に怠らないことが肝要である。
クレディ・スイスが無秩序な経営破綻に陥ることはスイスという国が崩壊しない限りあり得ない。ほぼ観光と金融という2つの産業しかない国がクレディ・スイスほどの大銀行を破綻させたらどうなるかくらい小学生でも想像が付くからだ。いざとなればなりふり構わず救済するだろう。それでも米FRBが金融引き締めを今まで通り継続すると、世界のどこかで必ず何らかの危機(新興国の債務不履行や金融機関の経営破綻など)は起こり、モグラ叩きのようにあちらこちらが綻ぶはずだ。リーマンショック後のように世界中の金融機関同士がお互いに疑心暗鬼となると再び世界経済が沈み込むことになりかねない。
米国では、SVB問題を封じ込めるためFRBが「バンク・ターム・ファンディング・プログラム(BRFP)」を始めた。この制度により、銀行は米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を担保に1年間資金を借りられる。これは一種の担保オペだが、中央銀行の資産買い入れとは異なる。この制度の最大のミソは担保価値を債券の「時価ではなく額面で評価」するという点にある。この制度により、銀行は資金繰りのために保有債券を投げ売りしてさらに債券価格を急落させてさらに自分の首を絞めというリーマンショック後に起こった悪循環を回避できる。ただ、米FRBが実施した過去8回の金融引き締め局面では、その後7回は景気後退に陥ったことだけは覚えておくべきだろう。
さて、デモ銘柄の4902コニカミノルタは寄り付きと同時に5枚売り[5-6]としましたが、下げ幅を拡大せず短陽線で終えそうだったので大引け直前に売り玉はすべて手仕舞いして、結局、[0-6」のポジションとしました。波乗り十八番銘柄のN1株は買い乗せし、昨日売り乗せしたもう一つの波乗り銘柄N2株は全玉買い戻して利食い手仕舞いしました。
33業種すべてが下げた。下落率トップ5は、鉄鋼(1位)、保険(2位)、鉱業(3位)、非鉄(4位)、銀行(5位)となった。