合理的に想像した株価ベクトルの方向とチャートの定石

優利加さん
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先週末の米国株式相場は大きく続伸した(DJIA +387.40 @33,390.97, NASDQ +226.02 @1,688.01, S&P500 +64.29 @4,045.64)。ドル円為替レートは135円台前半の先週末比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,191に対して、下落銘柄数は579となった。騰落レシオは120.11%。東証プライムの売買代金は2兆7449億円。

TOPIX +17 @2,036
日経平均 +310円 @28,238円

3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では大幅な利上げ(例えば0.50%や0.75%)とはならないだろうとの見方が有力になり、米10年債利回りが4.0%を割り込んだ。これを好感して、米主要3株価指数は揃って続伸した。この流れ受けて、本日の日本株全般も東京エレクトロンやアドバンテストなどの値がさハイテク株やソフトバンクグループをはじめとして続伸した。ただ、パウエルFRB議長の議会証言や日銀の金融政策決定会合を目前に控えているため、上値追いは続かず上値は重くなった。

日経平均の日足チャートを見ると、ギャップアップで始まりさらに上げて短めの上ひげを引いた短陽線で終えた。昨年11月24日の戻り高値@28,502円が射程距離に入ってきた。チャートのさらに左側を見て時間を遡ると昨年6月9日戻り高値@28,389円、3月25日戻り高値@28,338円が上値抵抗線として意識される。これら3つの上値抵抗線を一気に上抜けできるか、或いは弾き返されるか。その答えは、日米中央銀行の金融政策の舵取りに対するマーケットの見通しの変化次第だろう。

過去の株価の値動きに過ぎないチャートをどんなに分析しても将来の株価の動きは明確には見えて来ない。しかし、チャート分析による定石とファンダメンタルズの変化と併せて「合理的に想像する」ことはできる。大事なことは、ファンダメンタルズの変化が「原因」であってこれが株価の中長期のトレンドを決定し、株価の動きはその「結果」に過ぎないということである。その合理的に想像した株価のベクトルの方向に合わせて売りか買いかを判断し(これが戦略決定)、自分の間合い(4つの買い場と4つの売り場)まで引き付けて(これが戦術)、自分の戦闘法に従い淡々と仕掛け・手仕舞いを行うだけである。短期的には合理的に想像したベクトルの方向とは異なる動きをすることもあるが、それは初めからそういうこともあると想定しておき(だから驚かないし慌てない)、反対玉を建てながら建玉操作で乗り切るだけである。

33業種中26業種が上げた。上昇率トップ5は、精密機器(1位)、海運(2位)、電気機器(3位)、卸売り(4位)、金属製品(5位)となった。

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