TOPIX +15 @2,020
日経平均 +429円 @27,927円
ボスティック米アトランタ連銀総裁が3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利上げを強く支持すると発言したため、0.50%など大幅利上げへの警戒感が後退した。これを好感して米株式相場は主要3株価指数は揃って上昇した。米国株の大幅反発を受けて、本日の日本株全般も大きく上昇した。ファーストリテイリングが国内既存店売上高(ユニクロ)が伸びたことを好感して大きく上昇して、この1銘柄だけで日経平均を100円ほど押し上げた。また、中国の景気回復に対する期待は依然として強く、機械株や資源株が買われた。3月5日には全国人民代表大会(日本の国会に相当する)が開幕するがその時に何らかの景気刺激策が打ち出されるのではないかという期待も日本株相場を支えている。
日経平均の日足チャートを見ると、2月6日の戻り高値@27,821円を終値ベースで明確に上抜けた。これにより反発を続けて昨年11月24日の戻り高値@28,502円を上値ければ、2021年9月14日の高値@30,795円から戻り高値が徐々に切り下がっている中期的な弱気相場に歯止めをかけることができる。
ただ、米利上げが当初想定されていたよりも長引きそうであるという見通しが強くなっている中での日米両国の株式相場が堅調なことには一抹の不安を覚える。昨年末と比べてS&P500は3.7%上昇(3月2日時点)し、日経平均は7.2%(3月3日終値)も上げている。2月に発表された主要米インフレ指標統計(消費者物価指数CPI、卸売物価指数PPI、個人消費支出PCE物価指数)のすべては強い経済状況を示した。それを反映して米長期金利は4.0%超まで上昇しており、近い将来に利下げが行われる見通しはまだ見えて来ない。にも拘わらず、株高となっているのは、FRBが景気減速に気付いて今年中に利下げを開始するはずだという楽観的な見通しの方が優勢になっているからだと思われる。
33業種中30業種が上げた。上昇率トップ5は、精密機器(1位)、卸売り(2位)、鉱業(3位)、医薬品(4位)、化学(5位)となった。