TOPIX -3 @1,995
日経平均 -18円 @27,499円
米2月ISM製造業購買担当者指数(PMI)は47.7となり、市場予想の48.0を下回ったが、その価格指数は予想の45.1を上回って51.3という強い結果となった。さらに、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%または0.50%の利上げを示唆する発言をした。これらのことを背景に、米10年債利回りが前日の3.91%台から4.0%を超えて一時は4.01%台まで上昇して、米長期金利は約4カ月ぶりの高水準となった。これを嫌気してハイテク成長株や高利回り配当株が下げた。その結果、ダウ工業株30種平均は小幅高となったのに対して、ハイテク成長株が多いナスダックは下落した。高安まちまちとなった米国株式相場を受けて、本日の東京市場でもサイバーダインや東京エレクトロンなどハイテク成長株を中心に売られたが、鉄鋼、非鉄金属、海運などが上昇した。
日経平均の日足チャートを見ると、本日も辛うじて10日及び25日平均線の上に踏みとどまっているが陰線で終えたため、いつ反落してこれら2本の移動平均線の下に沈み込んでもおかしくない状況である。買い玉は普段以上の用心が必要である。
ほとんどの米経済指標は米経済が依然として強いことを示唆している。しかし、経済指標は遅効性があるので、実は景気がすでに悪くなっていても強い数値を出し続けるので額面通り受け止めないことが重要である。高金利政策を継続すると、往々にしてオーバーキルとなり、必要以上に経済を悪化させるので、その後に深刻な景気後退を招くことも珍しくない。FRB高官もバカではないからそれくらいは分かっているはずなので、年内のどこかで利上げ停止から利下げへ移行するとの見方も一部で浮上してきた。実際、米調査会社コンファレンス・ボードの1月の景気先行指数は前月比マイナス0.3となったが、これで10カ月連続の落ち込みである。金融政策はその効果が出るまでに通常は1年ほどの遅効性があるので、もうそろそろその悪い効果がいろいろな経済指標で確認できるようになるはずである。
日米中央銀行の金融政策のベクトルの違いから、日米金利差は大きく、円安・ドル高見通しがまだ根強い。したがって、「円キャリー・トレード」(=金利が低い円を借りてそれを売ってドルを買い、金利の高いドルで運用する取引)をやすく、その取引そのものが円安・ドル高を促進する。
33業種中16業種が上げた。上昇率トップ5は、鉄鋼(1位)、非鉄金属(2位)、海運(3位)、陸運(4位)、パルプ・紙(5位)となった。