TOPIX -5 @1,903
日経平均 -330円 @26,120円
日本時間の昨夜発表された12月の米消費者物価指数(CPI)は前年比+6.5%となり、11月分の前年比+7.1%から減速した。また、前月比では-0.1%となり、2020年6月以来の前月比マイナスとなり、インフレ減速が鮮明になってきた。1月31日~2月1日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ幅が0.25%に縮小されるとの見方が有力となってきた。その結果、米国株式相場は主要3株価指数は揃って続伸した。
米国株の続伸とは反対に、本日の日本株全般は下げる銘柄が多く、日経平均は6営業振りに反落した。米国のインフレ減速が鮮明になって来たため米ドル金利の上昇ペースは落ちる一方、日銀は金融緩和政策を修正する方向へ動いているため円の長期金利は上昇し、外為市場では円高・ドル安が進行している。これが自動車関連株を押し下げ、さらに日本株全般の頭を抑えた。また、四半期決算を発表したファーストリテイリングが8%も下落して、この1銘柄だけで日経平均を約200円押し下げた。日銀の金融政策が大緩和政策から引き締めの方へ振れ始めているため、新発10年国債利回りが日銀が許容する上限(0.50%)を一時上回った。長期金利の上昇により利ザヤが改善する銀行株はメガバンクから地銀まで軒並み上げた。例えば、三菱UFJ銀行は12月19日から今日までに26.5%も上昇した。
日経平均の日足チャートを見ると、長陰線で反落して横向きの10日移動平均線を少し割り込んで終えた。米国株続伸という好材料よりも円高・ドル安という悪材料の方がインパクトが大きかったようである。但し、本日の反落幅330円中約200円はファーストリテイリング1銘柄の下げよるので、その分を差し引いて考えると約130円が正味のマイナス効果と言えるだろう。日米中央銀行の政策の方向性が反対になりそうなため、円高・ドル安方向へ振れやすい。そのため輸出関連を中心とした製造業と不動産業には売り圧力が増す一方、銀行や保険は買われやすくなり、さらにその効果は金融繋がりの連想で証券にも買いは波及する。
33業種中22業種が下げた。下落率トップ5は、輸送用機器(1位)、精密機器(2位)、食料品(3位)、ゴム製品(4位)、その他製品(5位)となった。