「戦略>戦術>戦闘法」と流れるような思考回路

優利加さん
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昨年末に続き昨日も米国株式相場は下落した(DJIA -10.88 @33,136.37, NASDAQ -79.50 @10,386.99, S&P500 -15.36 @3,824.14)。ドル円為替レートは130円台後半の円高・ドル安で動いた。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が213に対して、下落銘柄数は1,584となった。騰落レシオは75.90%。東証プライムの売買代金は2兆7628億円。

TOPIX -24 @1,868
日経平均 -378 @25,717円

米12月製造業購買担当者指数(PMI)確定値が予想以上に悪化した(本来は経済にとって悪材料)ことを好感して米10年長期金利が低下した(3.83%台から3.72%台へ)。これは株価にとって好材料と解釈されたが、テスラとアップルが大幅安となったことが株式相場全体にとって暗雲となった。

長引く米金融引き締めとその副作用で起こる米国の景気減速の根強い懸念が消えない中、新型コロナウィルスの感染が一向に収まらない中国も景気減速が濃厚となってきた。金融引き締め政策というものは直ぐには効果が出ず、遅効性があり半年とか1年経ってから初めてその効果も副作用も観測可能なほど明確になってくる。さらにロシアのウクライナ侵攻という地政学リスクも続いており、これはロシアか欧米のどちらかが一手でも打ち手を大きく誤る(例えば、追い詰められたロシアが最後の切り札として核攻撃に出ることによりNATO軍が戦争に直接加わらざるを得なくなる)と欧州全域を巻き込むナポレオン戦争以来の大戦争となる可能性がある。

米国株安と円高・ドル安基調を受けて、日本株のほとんどは売られた結果、日経平均の下げ幅は一時400円を超えた。大発会の下げ幅としては2020年の451円安以来の大きさとなった。世界景気が縮小すれば売上縮小に直結する大手海運株が下がったのはある意味当然で、世界需要の減少と因果関係が強く連想される鉱業株も売られた。但し、日銀が金融政策を引き締め方向へ修正すると予想する向きが多く、金利上昇により恩恵を受ける大手銀行株は逆行高となった。

日経平均の日足チャートを見ると、2022年10月3日安値@25,621円目前まで急落した。この25,500円~25,600円の価格帯は6月20日安値@25,520円、5月12日安値@25,688円が並んでおり、強い下値支持線として意識される。もし、さらに強力な新たな悪材料が飛び出してこの下値支持帯も割り込むようなら、次の下値支持線は3月9日安値@24,681円となる。本日現在の25日移動平均線乖離率はマイナス5.5%まで拡大しており、RSI(14日)も下げ過ぎの目途となる25.0を遥かに下回る16.2まで急低下しているため、通常はここからの下げはあったとしても強く下げ渋り、速度が急減速するはずである。

相場格言に「麦わら帽子は冬に買え」というものがある。今月はこの麦わら帽子(=株)を買うべきタイミングの可能性が高い。但し、底値圏であったとしても株価は日々ランダムに飛び出してくる好悪材料により常に揺れ動くため、建玉操作ができない人にはまだ難しいかも知れない。「戦略(売り・買い)>戦術(仕掛けの間合い)>戦闘法(仕掛け・手仕舞いのスイッチ)」と流れるように思考回路ができている人は上げ相場、下げ相場どんなタイミングでも入ることができるが、無駄玉を極力避けるために保ち合いでは静観する。

33業種中30業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、鉱業(2位)、医薬品(3位)、電気・ガス(4位)、非鉄金属(5位)となった。

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