株式相場はVUCAの最たるものだから・・・

優利加さん
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昨日の米国株式相場は下落した(DJIA -348.99 @33,027.49, NASDAQ -233.35 @10,476.12, S&P500 -56.05 @3,822.39)。ドル円為替レートは132円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が575に対して、下落銘柄数は1,192となった。騰落レシオは87.04%。東証プライムの売買代金は2兆4922億円。

TOPIX -10 @1,898
日経平均 -273円 @26,235円

先週分の米新規失業保険申請件数は21.6万件となり、予想の22.2万件を下回った。つまり、予想したよりも「失業者の数が少ない」ということで、普通なら「経済に良いこと」で好材料となり株価は上がるはずだが、今は経済に良い統計データの発表はほぼすべて逆の反応となる。失業者が思いのほか少ない⇒経済は好調⇒利上げが長期化する⇒景気減速に陥る⇒株価が下がる、という解釈となる。7‐9月期米国内総生産(GDP)確定値もプラス2.9%だったものが3.2%に上方修正された。その結果、3日ぶりに主要3株価指数が揃って大きく下落した。

この流れを受けて、本日の日経平均は前場では下げ幅が400円を超えた。急速に進んだ円高・ドル安を悪材料としてトヨタ自動車など自動車株が引き続き売られた。また、米マイクロンテクノロジーの四半期決算・見通しが市場予想をした回ったことで、半導体業界全体の業績懸念が高まり、東京エレクトロンやアドバンテストなど主力半導体関連銘柄も売られて日経平均の下げを先導した。他方、長期金利上昇で恩恵を受ける保険株と銀行株は引き続き買われて上げた。

日経平均の日足チャートを見ると、窓を空けて下げたが、長めの下ひげを引いた短陽線で終えた。過去5日間の日足はすべて陰線だったことと比較すると、短期的な潮目の変化の兆候と言えるだろう。そして、本日の終値@26,235円は10月13日の押し目@26,237円とほぼ並んだ。もしこの水準も割り込むと、次の下値支持線として意識されるのは10月3日安値@25,621円となる。

チャート・リーディングには幾つかの役に立つ定石がある。しかし、明日以降ほぼその定石通りに株価が動くのは、明日以降大きな株価材料(定石を打ち消すような)が飛び出して来ない場合に限る。そして、明日以降どんな株価材料が飛び出してくるかは今日現在ではインサイダー以外は知りようがない。したがって、我々トレーダーが常に心掛けておくべきことは、ファンダメンタルズの変化とチャート・リーディングの定石を最大限活用して売り買いのポジションを決めるが、これは「プランA」である。しかし、プランAだけでは不十分である。株式相場はVUCA(=volatile, uncertain, complex, ambiguous)の最たるものであり、我々は未来を正確に予想できない。したがって、常に「プランA」が失敗する可能性を意識しておき、その対策として「プランB」も用意しておき、且つ、いつでも則実行できるようにしておくことが生涯現役の株式トレーダーとして生き残るための必須条件であり、必須習慣である。

33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、非鉄金属(2位)、不動産(3位)、機械(4位)、精密機械(5位)となった。

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