経済に本来は悪いはずの「悪材料」で株価が上がる!

優利加さん
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昨日の米国株式相場は反発した(DJIA +183.56 @33,781.48, NASDAQ +123.45 @11,082.00, S&P500 +29.59 @3,963.51)。ドル円為替レートは136円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,387に対して、下落銘柄数は372となった。騰落レシオは104.41%。東証プライムの売買代金は2兆9321億円。

TOPIX +20 @1,962
日経平均 +327円 @27,901円

米新規失業保険申請件数が前回から小幅に増加し(本来は悪材料)、継続失業保険受給者総数が1月以来の水準に増加した(これも本来は悪材料)ことで米連邦準備制度理事会(FRB)は積極的な引き締めを躊躇うだろうとの見方から、株式相場はこれを「好材料」と捉えて上昇した。主要な半導体銘柄で構成する米フィラデルフィア半導体株価指数(SOX)が2.7%上昇した。この流れを受けて、東京市場でも半導体関連銘柄を中心に株価が上昇した。香港ハンセンも上昇して日本株には追い風となった。

原油先物価格(WTI)が1バレル=71ドル台まで下げてきた。今年6月初旬には1ドル=120ドル台だったのでこの半年で40%強下げたことになる。ロシアのウクライナ侵攻以来、原油先物相場のフォーワードカーブは期近ほど高く期先ほど安くなるBackwardation(逆ザヤ)となっていたが、足元では景気悪化を織り込むように期近が安く期先が高いContango (順ザヤ)となってきた。原油先物価格の低下はエネルギーコストを引き下げるのでそれ自体は良いことだが、同時にそれだけ世界経済の近い未来の減速を織り込んでいるので諸手を上げて喜んでばかりもいられない。世界の株価は米国金利の上昇ピッチが減速することを喜んで上げるのか、世界景気の減速を危惧して下げるのか、どちらの力がより優勢となるのか、それは現時点では誰にも分からない。

日経平均の日足チャートを見ると、前日の安値圏での「たくり線」が暗示した通り、本日は大きく陽線で反発し、横向きの25日移動平均に辛うじて接するまで戻ってきた。来週以降、このまま上方向へ伸びるか、或いは11月24日の戻り高値@28,502円の上値抵抗線で抑え込まれるか?

33業種中29業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、精密機器(2位)、電気機器(3位)、非鉄金属(4位)、機械(5位)となった。

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