TOPIX +4 @1,905
日経平均 +101円 @27,257円
ゴールドマン・サックスやロッキード・マーティンなど、米企業の第3四半期決算が市場予想を上回ったため企業業績見通しに対する安心感が広がり米国株式相場は続伸した。ただ、気を付けなくてはいけない会計上の留意点もある。S&P500採用の企業の約5割は在庫評価法としてFIFO(先入れ先出法)を採用している。この在庫評価法では、インフレ時にはインフレ前の安い在庫とインフレで膨れた売上とを対応させるので利益が構造的に膨らむため本来の実力以上の増益になる。いつかインフレは収まり、通常に戻る局面ではこの増益効果が減益効果として逆回転する。それは起こるとしても1年以上先だろうから誰も気にしていないようだが。
米国株式相場の続伸を好感して、本日の日本株全般も上げ、日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。東証上場銘柄の内130銘柄が年初来高値を更新した。日本株の立会時間中も米国株価指数先物が一段高となると日経平均も上げ幅を拡大した。入国制限が緩和されインバウンド客が増加するのに加えて、32年ぶりの水準まで円安が進行している。これにより輸出関連企業に対する追い風の効果が出てくるとの期待も大きい。ただ、米国をはじめ世界主要国の金融引き締め政策はまだ当面続くことはほぼ確実なのでそれが世界の景気を冷やすとの懸念から上値では戻り売りが増加して株価の頭を抑えた。
日経平均の日足チャートを見ると、2日続伸して10月6日の戻り高値@27,399円目前まで上げて来た。これは現在、上値抵抗線として意識されるが、これを終値で上抜けることがさらに上に向かいやすくなる。
33業種中24業種が上げた。上昇率トップ5は、電気・ガス(1位)、倉庫・運輸(2位)、不動産(3位)、情報・通信(4位)、パルプ・紙(5位)となった。