TOPIX -19 @1,880
日経平均 -315円 @26,776円
先週金曜日の株式相場は、米大手金融機関の決算が良好だったことで上げて始まった。しかし、寄り付き後に発表された10月のミシガン大学1年先期待インフレ率速報値が前月比加速を示す数値だった。米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な金融引き締めに対する警戒感が高まり、米長期金利(=10年債利回り)は前日の3.95%台から一時4.03%台まで上昇した。この流れを受けて、本日の日経平均も下げて始まり、前場では400円超下落した。しかし、さらに下値を売る動きはほとんんどなく、下げ渋りを見せた。インバウンド需要の回復効果を期待して、百貨店、鉄道、海運が上げた。他方、足元の原油価格の軟調を受けて、卸売り(総合商社が入っている)、鉱業、石油・石炭は下げた。
米長期金利の上昇を受けて、外為市場ではドル買い・円売りが増加して148円台後半まで円安・ドル高が進んだ。現在の外為相場は1980年代前半を彷彿とさせる展開である。1980年代前半のレーガン政権の頃、高いインフレ率を背景に高金利政策を続けて世界中から資金が米国に流入してドル高・その他通貨安となり、米高金利政策の煽りを受けてメキシコなど南米諸国でデフォルトが続出した。
日経平均の日足チャートを見ると、大きく反落したが、ローソク足は「トンボ」となり下げ渋りを示し、さらに10日移動平均線が上向きに転じ、株価はその上に浮上している。明日以降、さらに悪い材料が出て来なければ、この水準で踏みとどまった後、ある程度の自律反発をする展開を予想している。さて、どう動くか?
33業種中30業種が下げた。下落率トップ5は、卸売り(1位)、鉱業(2位)、石油・石炭(3位)、電気製品(4位)、繊維製品(5位)となった。