TOPIX +44 @1,898
日経平均 +853円 @27,091円
注目が集まっていた9月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想(+0.2%)を上回る高い伸び(前月比+0.4%で8月の+0.1%よりも加速した)となった。米長期債利回りは前日の3.90%台から一時4.08%まで上昇し、終値では3.95%台だった。これを嫌気して米株価市場は大幅下落で始まったが、次第にショート・ポジションの利益確定のための買戻しをきっかけに切り返し始め、終わってみれば大幅高となった。伏線として、英国トラス政権が大幅減税を撤回するとの一部報道が既に出ていた。これに反応して、減税政策発表を機に急落していた英国債が買い戻され、英国長期金利が下げた。急速に買い戻される英国債に触発されて米国株も買い戻された。ダウ工業株30種平均はマイナス549~プラス957ドルまで大きく動き、日中値幅は2020年3月以来の大きさとなった。テクニカル要因で動いたとの見方が主流であるが、これまでの金融引き締め政策の効果が徐々に出始めてインフレのピークアウトは近いとの思惑も浮上してきた。だが、これは時期尚早だと思う。
米国株の大幅高を受けて、本日の東京市場でもほとんどの銘柄が買い戻されて、日経平均は大幅高となり、日経平均の上げ幅は3月17日(890円88銭)以来となった。
日経平均の日足チャートを見ると、米CPIを警戒して直前の4営業日で1,000円超下げていたたため、大きなイベントを通過したあく抜け感からも自律反発狙いの買いにより大きく反発した。好決算を発表したファーストリテイリングが1銘柄だけで日経平均を220円押し上げた。また、1ドル=147円台まで円安・ドル高が進行し、輸出関連銘柄も買われた。ただ、これからしばらく上昇したとしても、それは上昇相場の本格的再開ではなく、あくまで短期的な戻り相場である可能性が非常に高いので高値を追いかけて買わないように注意したい。寧ろ半値戻しや3分の2戻しを意識して売るべきところで確実に売るようにしたい。ほとんどの個人投資家は頭の中が「常に」「買い」しかないから上手く相場の波に乗れない。
33業種すべてが上昇した。上昇率トップ5は、精密機器(1位)、医薬品(2位)、その他金融業(3位)、卸売り(4位)、電気機器(5位)となった。