ガルブレイス著「大暴落1929」が話題になっている。
一読の価値があるらしい。
1929年の大暴落から約10年続いた「大恐慌」当時と、今の金融危機が驚くほど似ていることに気づくからだ。
資産バブルを引き起こすのがレバレッジの魔法だとすれば、今回は金融派生商品がテコの役割を果たし、29年には社会が金儲け一色に染まり、FRBが行きすぎを放置したのも今回と同じだ。
ガルブレイスの警句はその後にある。
29年の大暴落の際立った特徴は「最悪の事態が実は最悪でなく、さらに悪化し続けた」点にあると指摘。
大恐慌を招いた一因は政治の無策だと断じている。
当時のフーバー大統領はわずかばかりの減税を除けば、経済界の重鎮を集めた会議のための会議に明け暮れた。「経済の基本は健全」という経済顧問の助言で財政均衡にかじを切って事態を悪化させた。
翻って今。サブプライムショック後の景気浮揚を狙ったブッシュ減税は焼け石に水だった。リーマン・ブラザーズ破綻を機に株価は世界中で暴落し、実体経済はみるみる悪化し始めた。世界規模の危機に対応してG20が開催されたが重要な決定はされなかった。
歴史は繰り返すのか。否と思いたい。
今回は”不健全な経済”への共通認識があるからだ。すなわち、米国が借金を膨らませて消費を拡大し、世界の経済を支えた構図は金融の逆回転とともに崩落し、おそらく元には戻らない。
足元の金融危機を封じ込めたとしても、米国の対外赤字是正の荒波をどう乗り切るかが次の課題になる。
財政拡大はカンフル剤に過ぎない。
米国頼みから転換する経済再構築への知恵が求められている。
**** 以上 12/4の日経「十字路」から ****
グローバル化した今は金融危機の規模が大きく、また加速度的に拡大した。だからまだ金融危機は封じ込むところまで言行けていないと思う。ガルブレイスが言うように「最悪の事態が実は最悪でなくまだ悪化し始めたところだ。」と言うことだろう。
今朝の日経1面に「海外売上げ高 初の減少」4-9月営業利益、米州で半減 という記事が踊っている。
日本は海外生産をかなり増やしたがまだまだ輸出比率が高い。特に米国市場の縮小の影響は計り知れない。BRICS向けも間接的には米国向けだ。
特に自動車は壊滅的だ。
4-9期でこれでは下半期は恐ろしいほどの落ち込みになるだろう。
失業者が大幅に増えても株価が上昇する国と異なり、日本は商品の大口顧客がなくなる事態を向かえこれからが大恐慌の本番だ。政治家もこの状況に危機感を持ち適切で迅速な施策を打ってもらいたい。企業は既に緊張感を持った施策を連発中だ。
2件のコメントがあります
1~2件 / 全2件
いつも大作ですね。感心します。
オバマの「経済再生計画」またこれに浮かれる人が出てくるのでしょうね。
ああ、なさけない。”学”や”洞察力”がないとこのようなことが茶番だと気付かないのでしょうね。
オバマの「経済再生計画」またこれに浮かれる人が出てくるのでしょうね。
ああ、なさけない。”学”や”洞察力”がないとこのようなことが茶番だと気付かないのでしょうね。
大恐慌にそなえての対策として記事かいときました
かとちゃんぺ
http://kato0119.blog121.fc2.com/
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