窓の影(5) 4年9月21日(水) 8時58分

堅実さん

  この世には、物体がある。しかしそれは、霊魂かもしれない。物体は常に変化し、他の物体と衝突しそして融合してゆく。まあ、ここでは霊魂とか物体とかは、よいとして、胡蝶の夢を見てみよう。


昔のまたその昔、中国の宋の時代に、ある男がいた。彼は木の下で休んでいると、寝てしまった。そして夢の中で、男は自分が蝶になって飛び回っていた。夢から覚めて考えた。はて、夢で自分はチョウチョになって飛んでいたが、もしかしたら、このチョウチョが、本当の自分かもしれない。そして、今ある自分は夢の中の自分で、これは自分ではないかもしれない。一体、どちらが本当の自分なのかと考えた。


影と物体。それは、どちらが本当の実態なのか。両者は常にぶつかり合い、反発したり結合したりする。世にいう無常の世界である。これといった定まった形などない。物体は常に、生成流転する。正に、混沌としたカオスという世界である。


さあ、これを見ている読者は、はたして本当の実体なのか。もしかして、それは影で、窓の外に影が見えたら、それが本当の、あなたなのかもしれない。


(おわり)


 

2件のコメントがあります
1~2件 / 全2件
堅実さん
小督  さんへ

「小説?エッセイ? 以前と作風がずいぶん変わりましたね! 」

やっぱり、分かりますか。
小説のつもりで、書きました。その中に、自分が入ったりして、少し工夫をしてあります。

人は、自分こそは、本物の自分だと思っている人に、果たしてそれは事実なのかと、疑問をぶつけたものです。しかし、読み方は、読者の自由な判断で、よいのです。これは、こうだと言い切ると、面白くないですよね。。。

怪奇小説としても、面白いと思います。



小督さん
こんばんは 

小説?エッセイ?
以前と作風がずいぶん変わりましたね!
堅実さんのブログ一覧