ユリウスさんのブログ
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生きがいのある福祉 -敢えて両面から見る
人生の旅の途中で、いろいろな出来事やいろいろな人たちと出会う。ちょっとしたことから縁がつながることもある。このエントリーは福祉事業とのちょっとしたご縁の接点で考えたことです。
翔年は若いときから好きなことをして生きているので、こんなことを書くと「偶にする善行を大げさに書くな!」とお叱りを受けるかもしれない。しかし、福祉事業に携わっておられるこの方の言葉は耳を傾けなければいけない。と思う反面、この意見に手放しで「賛成」することは問題だという思いもある。
下は、知能に重い障害を持つ人たちの施設からの寄付金趣意書にある文章です。ちょっと長いが無断で引用します。
「やる気が出ないなぁ。ほんまに楽しくないなあ」こんな言葉を仲間の職員たちから、よく聞くようになりました。確かに、私たちの職場は楽しくなくなりました。
何故でしょうか。国は私たちの仕事を、心を大切にする福祉から、市場主義の中で金銭や物を重視する合理的な福祉事業に変化させました。そして、規制が強化され、マニュアル化され、その上、書類を書き、提出させられることがとても多くなりました。その中で、個人が自由に、独創的に考え、作り出したものを現場でいかそうとすると、国や県から注意を受けてしまいます。
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こうして職員が伸び伸びと仕事ができず、自分が生かせず、やる気ややりがい、生きがいをなくし始めています。そして、(上の指示通りにすればよい。そうしたら、問題があっても、それは上の責任で自分には関係があらへん)と無気力思考になってきているのです。(中略)
国や県、政治家は「給与を増やせば施設の働き人は定着し、増える」と言っています。本当でしょうか。
過去、私たちの仕事は貧しく、待遇は良いとは言えず大変でした。でも、沢山の若い人たちが生き生きと働いていました。それは、福祉の現場には温かい心が溢れ、未来の希望と理想に満ちていたからです。(自分は福祉の取り組みをしている)という誇りと喜びを持ち、やりがいがある仕事だったからです。(以下略)
これを書いている方は、この仕事を47年も続けられていて、最近「生きるってうれしいなぁ」という本も出版されている。(これが51冊目だとか)そういう筋金入りの人だから、翔年が何を言っても受け止めていただけると思うので、敢えて翔年の考えを書きたい。釈迦に説法になるのをどうかお許し願います。
「国は私たちの仕事を、心を大切にする福祉から、市場主義の中で金銭や物を重視する合理的な福祉事業に変化させました」
→ この言葉は一面の真理ではある。甘い人たちの集団では通用する言葉だ。だけど、反面、ずるがしこい人たちを喜ばせる意見でもある。
物事には表があれば、裏もある。国の福祉関係の支出額は物凄い。資金の元は税金です。敢えていいます。税金は合理的、効率的に使ってもらわねばなりません。それを「福祉は心が大事だ」という主張のために、「書類を作るのがいや」、「金は自由に使わせろ」、「そうでないと職場に生きがいが生れない」という主張はどこか変なのではないか。そうでないと、税金の無駄使いは止めどがなくなってしまう。
世の中には善意の人も沢山いらっしゃるが、人の善意を食い物にしている人や会社もあるのです。翔年はその実例を嫌と言うほど知っています。
ただし、全ての企業は営利を求めているからといって、効率的組織運営をしているからといって、そのこと自体を否定しようとは思いません。営利企業であっても、その中で生きる企業人は、守銭奴になる事なく、自己実現を図ったり、また上に立つ人は部下に人生の生きがいを与える事に手を貸したり、懸命な努力をしているのです。
国からお金出してもうらうからには、書類作りも、効率的な仕事もキチンとやってもらわなくてはなりません。 モチロン、自前の資金と募金活動資金だけで事業を行われるのでしたら、帳簿を付けても付けなくても、どうぞご自由にと申し上げたい。
いささか嫌味な意見になってしまったけれど、物には両面があるということで、お許し願います。
前回のエントリーのターシャ・テューダーがこんなことを言ってくれています。だから、翔年はターシャが好きだし、読者のみなさんも、ターシャの言葉から強い放射を感じるのだろうと思っています。
(お金を稼ぐのは悪い事?)
わたしの絵を気に入ってくださる方は、
「想像力が発揮できて楽しいでしょう?」
というけれど、それは見当ちがいよ。
わたしは、売るために絵を描いているの。
生活のため、食べていくため、そしてもっと球根を買うためにね。
-ターシャ・テューダー
(自慢はいけないか? 謙遜は美徳?)
庭はわたしの自慢なの!
謙遜なんかしないわ。
うちの庭は、地上の楽園よ!
-ターシャ・テューダー
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