反落はしたものの小幅安で済んでいる

優利加さん
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先週金曜日の米国株式相場は反落した(DJIA -137.61 @31,899.29, NASDAQ -225.50 @11,834.11, S&P500 -37.22 @3,961.63)。ドル円為替レートは136円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が672に対して、下落銘柄数は1,088となった。騰落レシオは134.44%。東証プライムの売買代金は2兆613億円。

TOPIX -13 @1,943
日経平均 -215円 @27,699円

欧米の景況感を示す指数が悪化したことが原因で米国株式相場が反落したことを受けて、本日の日本株全般も景気敏感株を中心に下げる銘柄が多かった。外為市場で136円台の円高・ドル安になったことで輸出関連銘柄も売られた。ただ、日経平均は直前7営業日で1,500円超上げていたため、もともと利食い売りが多く出そうな下地はあった。他方、売り優勢とはなっても下値は底堅い動きでもあった。その理由は、欧米の中央銀とは一線を画し、日銀が大規模金融緩和を継続しており、その決意が揺るぎないものだからだろう。その結果、7月に入ってからの日経平均が下げた日は16営業日の内たった4日だけだった。そして直前7日間に限定すれば7連騰だった。

日経平均の日足チャートを見ると、反落はしたものの小幅安で済んでいる。やや下向きの260日移動平均線上に乗って綱渡りをしているように見える。260日移動平均線が下向きである限り、反発してもどこかで戻り売り圧力が高まり反落することを想定しておく必要がある。逆に、260日移動平均線の傾きが上向きである限り、下げてもどこかで下げ止まり押し目となると想定しておく。これが定石の一つである。勿論、いつもこの通りに展開する訳ではないため、読みが外れたら建玉操作によって補正する。これができることが「技術」である。

7月22日に発表された米購買担当者景気(PMI)総合指数が好況不況の分水嶺となる50を割り込んだ。これを受けて、米10年債利回りは5月下旬以来となる2.73%台まで低下した。欧州でも景気後退懸念が高まっており、この流れは日本の債券相場にも影響を与え始めている。366回債の利回りが低下(=価格は上昇)し、今年4月に発行されてから最低の金利水準(0.095%)を記録した。長期国債先物も4カ月半ぶりの高値を付けた。長期債の指標である新発銘柄である367回債の利回りも0.180%へ低下し、新発債としては3月10日以来4か月半ぶりの低水準を記録した。今年6月、ヘッジファンドなど海外勢は366回債を中心に大量に売り込んで来た(6月だけで4.5兆円の売り越し)。それに対し、日銀は6月だけでも過去最高の16兆円の国債の買い越しで買い向かった。早晩、日銀が金融引き締め政策に追い込まれると読んでの海外勢による「ビッグ・ショート」であった。今日現在、366回債は過去最低の利回りとなっているため、売り方は全員含み損を抱えていることになる。もともと無限の円資金を持つ日銀に勝てる訳もなく、そこへ欧米諸国の景気後退観測が浮上して来て、米長期金利低下による日銀支援が重なった。これで日本国債攻防戦第1局は売り方の海外ヘッジファンドの負けがほぼ決まったといえるだろう。しかし、最終的な勝負はまだ決着がついていない。

33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、電機機器(1位)、サービス(2位)、その他製品(3位)、繊維製品(4位)、パルプ・紙(5位)となった。

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