昨日の米国株式相場は高安まちまちとなった(DJIA +82.32 @31,029.31, NASDAQ -3.65 @11,177.89, S&P500 -2,72 @2,818.83)。ドル円為替レートは136円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が472に対して、下落銘柄数は1,314となった。騰落レシオは104.09%。東証プライムの売買代金は3兆2144億円。
TOPIX -23 @1,871
日経平均 -412円 @26,393円
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が欧州中央銀行(ECB)のシンポジウムで、インフレ抑制を重視する姿勢を改めて示したため、7月もさらなる大幅な利上げとその結果である世界景気の減速に対する懸念が高まった。フィラデルフィア半導体株指数は2%超下げた。日本国内では、5月の鉱工業生産指数(速報値)が前月比7.2%低下した。事前予想値の中央値は0.3%だった。これらのことを背景に、本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連銘柄の売りが目立ち、株価指数を押し下げた。円安進行にも拘わらず、トヨタ自動車や本田などの自動車株も売られた。
日経平均の日足チャートを見ると、長大陰線で大きく下げ、6月27日に空けた上方向の窓を完全に打ち消した。やはり、今回の戻りでは「半値戻し」が限界だった。米国の利上げが打ち止めになるまで株の地合いは少し戻りがあっても中長期的な反発ではなく、あくまで戻り相場と見ておき、そのように建玉操作することが無難なようだ。
先進国の中で唯一大規模金融緩和を継続しており、日米金利差の拡大はアセット・アプローチの外為レート決定理論の通りに投機筋を動かし、日本経済の構造変化による貿易赤字の拡大・経常収支の悪化と共に、円売り・ドル高を引き起こしている。日銀によるイールド・カーブ・コントロールの対象外である30年債に対して投機筋が売りを浴びせており、その利回りがじりじりと上昇している。いずれ日銀が利上げに追い込まれると読んでいるのである。ただ、円資金に関しては無限に調達できる日銀を相手に力勝負で勝てるとは思えない。ジョージソロスがイングランド銀行を打ち負かした時と条件が大きく異なる。
33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、その他金融(2位)、電機機器(3位)、不動産(4位)、海運(5位)となった。